ミニシアター系名作40本を厳選配信 CS映画チャンネル多様化する映画配信サービス(4)  「ザ・シネマメンバーズ」

日経エンタテインメント!

多様化する動画配信サービスの中から、ジャンルを絞ったサービスを紹介する特集の3回目は、ズバリ「ミニシアター系のサブスク」というコンセプトで厳選した作品のみをラインアップしている「ザ・シネマメンバーズ」だ。

CS放送の洋画専門チャンネル「ザ・シネマ」の配信サービスとして2018年6月にスタート。当初は、「ザ・シネマ」のコンセプトである、ハリウッド・メジャーの王道と激レアの激レアにこだわったラインアップだったそうだが、20年4月にリニューアル。ミニシアター系の作品だけにこだわり、毎月作品をピックアップ。常時40本程度の作品を月額550円(税込み)で視聴できるシステムとなった。「ザ・シネマメンバーズ」を現在の形にリニューアルし、作品のセレクトも手掛けているザ・シネマ ゼネラルマネージャーの榎本豊さんにリニューアルの経緯などを聞いた。

ザ・シネマメンバーズのトップページ。ミニシアターで話題になった作品がずらりと並ぶ

「選択肢の超少ないサブスク」

――「ザ・シネマメンバーズ」のスタートに当たって、その経緯、目的など教えてください。

大手配信サービスでは、サイトやアプリを開いた時のファーストルックでミニシアター系の作品はありません。そうした作品が好きな方々が、開いた時に自分に関係がある作品しか並んでいないと思っていただける、そう期待していただけるサービスを提供したいという思いがありました。書店やレコードショップ、セレクトショップなどでもお気に入りの棚、行ったら必ずチェックするコーナーがあると思います。セレクトのきいたミニシアター系の作品だけの配信サービスがあったらいいと。

――ターゲットにしているのは?

当初、80~90年代にミニシアターに行っていた方々(現在おそらく40~50代)を想定していたのですが、実は今、20代~30代のお客様が半数を占めています。そういう意味では、ターゲットはミニシアター系作品が好きなすべての方々です。

――さまざまな動画配信サービスがあるなかで、ミニシアター、単館系(洋画のみ)という内容に絞り、「選択肢の超少ないサブスク」とうたっているのはユニークですね。その意図は?

映画は音楽と違って、一本一本の尺が長いです。音楽の配信サービスは、一曲4分くらいということもあって、機械のほうに半分編成権を預けて楽しめるようなところがあって、アルゴリズムでレコメンドを出してくるのがすごくフィットする感じがあると思います。ただ映画はそうはいかない。「なにか見たい」と思ったときに、その1本を探す行為が快適とは言えないと感じていました。なので、たくさんの本数でアピールするのではなく、しっかりセレクトしたこのサービス自体が、おすすめのプレイリストになろうという考えです。

――何かモデルにされたものはありますか?

80年代後半から90年代初頭の特集上映をするタイプのミニシアターや、インディ系レコードレーベル、カルチャー系の雑誌やフリーペーパーなども意識しました。誰かが采配をしている感じがあって、それがセレクトやクリエイティブなどのアウトプットまで含めて統一感があるようなものです。

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