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緑の葉物野菜は筋力アップに効果 やや大きめ一株目安

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日経Gooday(グッデイ)

ほうれん草や小松菜などの葉物野菜に含まれている硝酸塩の摂取量が多い人ほど、筋力や筋肉の機能が高いことが、オーストラリアで行われた研究で明らかになりました。

毎日の食事から摂取できる量の硝酸塩が健康に及ぼす影響は?

野菜にはビタミン、ミネラルのほか多様なフィトケミカル[注1]が含まれています。その1つが、ほうれん草や小松菜、チンゲン菜、春菊といった、緑の葉物野菜に多く含まれている硝酸塩[注2]です。

これまでの研究では、食事を介した硝酸塩の摂取には心血管疾患のリスクを下げる可能性があることや、代謝調節に好ましい影響を与える可能性があること、また、高用量の硝酸塩を摂取すると筋力が高まることなどが示されていました。若い世代では、硝酸塩の摂取が運動中の骨格筋への血流量を増やすことが示されており、国際オリンピック委員会(IOC)は2018年に、硝酸塩を「ergogenic aid」(運動能力に影響する可能性のある栄養素や成分)に分類しました。

しかし、これまでに硝酸塩の健康利益を検証した無作為化試験のほとんどは、短時間に大量に摂取できるよう、硝酸塩含有量の多いビーツ(赤紫色をしたヒユ科の根菜)の濃縮ジュースや硝酸ナトリウムを用いており、日常的な摂取量の4倍から7倍の硝酸塩を一度に摂取させていました。そのため、毎日の食事から摂取できる量の硝酸塩が健康に及ぼす影響については、明らかになっていませんでした。

また、今回の論文の著者らは先に、食事を介した硝酸塩の摂取量が多い高齢者ほど、筋力と筋肉の機能が高いことを示唆する結果を得ていました。ただし、日常的な運動が筋機能の向上に貢献することも知られているため、食事を介した硝酸塩の摂取と、筋力、筋機能との関係の間に、本人の運動習慣が関わっている可能性も考えられました。

そこで著者らは今回、食事を介した日常的な硝酸塩の摂取と筋力、筋機能の関係を明らかにし、そこに運動量が影響するかどうかを検討しようと考えました。

硝酸塩の摂取量で3群に分け、下肢の筋力や移動歩行能力を比較

対象としたのは、オーストラリアの人々の糖尿病発症の状況とこれに関連する要因(肥満や生活習慣)について検討している観察研究「Australian Diabetes, Obesity and Lifestyle Study (AusDiab)」に参加した25歳から85歳までの人々です。

参加者の日常的な食事の内容を集めるため、登録時点(2000~2001年)と、2004~2005年、2011~2012年の時点で食物摂取頻度調査を実施。調査を2回以上受けていた人たちについては、総エネルギー摂取量や、個々の成分の摂取量の平均値を求めました。

筋肉の機能は、2011~2012年に行った、脚の筋力を調べる膝関節伸展筋力の測定結果と、バランス能力と移動歩行能力を調べる8フィートTUGテスト(いすに座った状態から立ち上がって歩き出し、8フィート先の目印を回って再び着席するまでに要する時間を測定するテスト)によって評価しました。

運動習慣は質問票を用いて評価し、結果に基づいて人々を以下の3群に層別化しました:「全く運動しない」「運動はするが量が不十分(150分/週未満)」「十分な運動を行っている(150分/週以上)」

[注1]フィトケミカル:植物性食品に含まれる栄養素以外の成分(香りや色、苦みなど)のこと。ポリフェノール類や硫黄化合物であるイソチオシアネート類、色素成分のカロテノイド類などが含まれる。

[注2]硝酸塩については、健康に害を及ぼす可能性も示されていたが、それを示す明瞭なデータはなく、農林水産省のページでは「通常摂取する程度では、それ自体は特に人体に有害なものではありません」とされている。

1日90mg程度でいずれのテストも最良の結果

必要な情報がそろっていた男女3759人(平均年齢48.6歳、女性が56%)について分析したところ、硝酸塩の1日の総摂取量の中央値は65mgでした。対象者を硝酸塩の摂取量が少ない方から3分の1(最低三分位群;摂取量56.7mg未満、中央値46.5mg)、摂取量が多い方から3分の1(最高三分位群;摂取量75.6mg以上、中央値91.2mg)と、その中間(第2三分位群;中央値65.3mg)に三等分しました。最高三分位群は、硝酸塩の85%を野菜から取っており、第2三分位群は81%、最低三分位群は76%を野菜から摂取していました。

膝関節伸展筋力の測定値は、最低三分位群が23.6kg、第2三分位群は24.7kg、最高三分位群は26.2kgで、最低三分位群と比べると、最高三分位群の膝関節伸展筋力の測定値は11%高くなっていました(統計学的有意差あり)。第2三分位群と最高三分位群の差も有意になりました。また、TUGテストに要した時間はそれぞれ、6.23秒、6.06秒、5.99秒で、最低三分位群と比べると、最高三分位群では4%短くなっていました(統計学的有意差あり)。

異なる分析方法を用いても、硝酸塩摂取量が多い集団のほうが、これらの結果は良好であることが示されました。

硝酸塩の摂取量を横軸とし、膝関節伸展筋力の測定値またはTUGテストの結果を縦軸として、個々の人々の値をプロットすると、これらの関係は直線的ではなく、いずれのテストでも硝酸塩摂取量が1日90mg程度のところで最も良好になることが明らかになりました。

硝酸塩摂取量と、膝関節伸展筋力の測定値およびTUGテストの結果、すなわち筋機能の関係に、日常的な身体活動量が及ぼす影響についても検討しましたが、有意な影響は見られず、年齢(65歳以上か未満か)も有意な影響を及ぼしていませんでした。

また、硝酸塩の摂取源を、野菜かそれ以外かに分けて筋機能との関係を調べたところ、今回得られた有意な関係は、主に野菜から摂取した硝酸塩によってもたらされていることが分かりました。

毎日の食事において、主に野菜からの硝酸塩の摂取量が多いことは、年齢や運動習慣に関わらず下肢の筋力を強化し、筋機能を高めるために役立つ可能性が示唆されました。

1日に90mgの硝酸塩を、たとえばほうれん草から摂取するとしたら、葉が6~8枚ついているやや大きめの一株(可食部が約45g)で目標は達成されそうです。

論文は、2021年3月24日付のJournal of Nutrition誌電子版に掲載されています[注3]

[注3]Sim M, et al. 2021 May 11;151(5):1222-1230.

[日経Gooday2021年9月9日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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