スラックス風のデザインが人気 すっきりはける一本

「もともと男っぽい印象のアイテムなので、シルエットが太すぎるものは粗野な感じになりやすいです。初めて選ぶのであれば、ジャストサイズではけるものがおすすめです。その中でもセンタークリースが入ったスラックスに近いデザインのものは取り入れやすいですよ」

東京都渋谷区にある「ZABOU(ザボウ)東京」の大井勇人氏が選んでくれたのは、ドイツ軍が採用していたカーゴパンツのデッドストック(新品のまま長期間倉庫に置かれていた製品)だ。

1980年~90年後半まで製造されていたドイツ軍のカーゴパンツ。タックの入ったスラックス風のデザインがユニークだ。生地はコットンを高密度に織り込んだ「モールスキン」で、独特の光沢感がある。ドイツ軍 モールスキンカーゴパンツ デッドストック1万3750円

「なんといってもミリタリーウエアらしからぬドレッシーなデザインとシルエットが魅力的です。上品なデザインに一目ぼれしたというお客様もいらっしゃいます。デッドストックなので、古着に抵抗があるという方にも好評です」

秋冬にぴったりな厚手のモールスキン生地を使用

この商品を目当てに訪れる客もいるほど、人気があるアイテムだという。トラディショナルなスタイリングを強みとする同店おすすめの着こなしも聞いた。

F.O.B FACTORY(エフオービー ファクトリー)のシャツとG.H.BASS(ジーエイチ・バス)のローファーを合わせた様子。王道的なアイテムを選ぶとカーゴパンツの存在感が際立つ

「白のオックスフォードシャツと黒のローファーなどを合わせたいですね。アイテム自体に個性があるので、シンプルな組み合わせでもこなれた印象に見えます。トップスもジャストサイズに近いものを選ぶのがいいと思いますよ」

人気の「M-47」を再現 シルエットは日本人向けに

東京のJR高円寺駅近くにある「Lampa(ランパ)」(杉並区)店主の遠山勇氏にも話を聞いた。紹介してくれたのは、日本発のブランドであるOrdinary fits(オーディナリーフィッツ)が手がける、ミリタリーに特化したレーベルの一本だ。

「今ヴィンテージ市場で圧倒的に人気を集めているのが、フランス軍の『M-47』の後期モデルです。これは、それを忠実に再現した一本です。紡績技術が発達していなかった1960年代の雰囲気をあえて再現した、色ムラのある生地が魅力ですね。ディテールも当時のものを徹底的に踏襲しています」

「10年後も着ていたい服作り」を志向するOrdinary fitsが新たにスタートさせたミリタリーレーベル、Ordinary fits Surplusの一本。名品と呼ばれるフランス軍の「M-47」を岡山の生産技術で再現した。生地にはオリジナルで作成したヘリンボーン生地を使用。Ordinary fits Surplus / M-47 Type Cargo Pants 2万5300円

ヴィンテージ市場で人気のモデルを新品で買えるのはありがたい。いわゆる軍パンらしい迫力がある一本だが、カジュアルウエアとしてはきこなすコツはあるのだろうか。

生成りの生地を下処理せず、そのまま染めることで深みのある色合いを実現
大きめのカーゴポケット裏の補強布など、オリジナルと同じディテールを追求している

「日本人体型に合わせて太すぎないシルエットに調整されているので、トップスはややゆったりしたサイジングのカットソーと合わせるのがいいですね。トレンド感を加味した印象になります。あと、最近はあまり見かけないスタイルですが、ボタンダウンシャツと組み合わせて上品にまとめるのも、そろそろ新鮮に見えるかもしれません」

ゆったりしたサイジングのカットソーと合わせた様子。カーゴパンツの武骨な雰囲気を適度に和らげる

文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/)


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