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写真はイメージ=PIXTA

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3月決算の会社であれば9月は半期が過ぎた時点。冬の賞与に向けた人事評価も行われます。評価を受ける立場としてこの時期にやっておくべきことを、人事制度設計の専門家としてお伝えします。

秋の人事評価に備える禁じ手

秋真っただ中の9月末から10月、多くの会社では人事評価が行われます。年度始まりが4月の会社の場合、ちょうど9月末までが半期になるからです。

その手順はだいたい以下のような感じです。

(1) 部下の自己評価
(2) 上司による仮評価(部下の自己評価を確認してすることが多い)
(3) 評価のすり合わせ面談
(4) 上司側評価確定
(5) 全体調整

さて、半期評価結果の活用方法は、多くの場合、冬の賞与への反映です。少しでも評価を良くして、昨年より、あるいは同僚より多く賞与をもらいたい、と思うことは当然でしょう。

しかしこの時点の評価は4月から9月までの実績や行動を振り返って行うものです。だから今からなにか対策をとっても、評価結果を引き上げることは難しいのです。

ただ、ややこそくな手段ではありますが、心理学を応用した工夫で多少評価を上振れさせることができる場合もあります。

それは(1)の自己評価を、本来ここかなという水準より少し上にしておくことです。たとえば実績評価や行動評価の項目についてBだと思うのなら、B+やAとしておくような方法です。

そうして上司による仮評価と突き合わせる(3)のすり合わせ面談の際に、最近実現できた成果や、うまくできた行動などをアピールします。

自己評価を高めにするのは「アンカリング」を狙ったものです。人は最初に示された数値や基準を軸にモノを考えてしまう傾向があるからです。基準地点に「いかりがおろされる」ことからアンカリングといいます。

また、最近あった良いことをアピールするのは「期末誤差」という評価エラーを踏まえたものです。期末、すなわち新しい時点の出来事の方が初めの頃の出来事より評価者の印象に残りやすいのです。評価者の記憶に新しいことをアピールすれば、右肩上がりでの成長を示すこともできます。

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