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太陽系に第9惑星? 海王星の外、質量は地球の6倍

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ナショナルジオグラフィック日本版

太陽系にまつわる謎のなかでも特に興味深いのは、海王星の外側に巨大な氷の惑星が本当にあるのかどうか、という問題だ。もし実在すれば太陽系第9の惑星となることから、仮に「プラネット・ナイン」と呼ばれているが、この仮説は、提唱された当時から賛否両論を巻き起こしてきた。一部の小さな天体が描く奇妙な軌道から推定されたものだからだ。

そんななか、米カリフォルニア工科大学の天文学者であるマイク・ブラウン氏とコンスタンティン・バティギン氏は、もしプラネット・ナインが実在するとすれば、これまで考えられていたよりも地球に近く、より明るく、見つけやすいだろうという分析結果を発表した。両氏による論文は、学術誌「Astronomical Journal」に2021年8月22日に受理され、近く掲載される予定だという。

論文によると、これまでプラネット・ナインは太陽の周囲を1万8500年の周期で公転していると考えられてきたが、新たな計算ではその期間が7400年に短縮された。また、質量は地球の約6倍である可能性が高い。地球よりは大きな岩石惑星か、あるいは海王星よりは小さなガス惑星かということになるだろう。

「あと1~2年でプラネット・ナインは見つかると思います」と、ブラウン氏は自信を見せる。ただし、「ここ5年ほど、毎年同じ予測を立てていますけどね。私は超楽観的な性格なので」と付け加えた。

ブラウン氏とバティギン氏はプラネット・ナインが潜んでいそうな空の一帯を示した「宝の地図」も作成した。その地図を横切るように、天の川が流れている。プラネット・ナインは、多くの星が密集し明るい光を放つ天の川に隠れていたために、これまで見つけられなかったのだろうか。

「これで、どこを探すべきか、どこを探さなくても良いかがわかります。私たちの方で何か間違えていない限り、大丈夫でしょう」と、ブラウン氏は言う。

姿の見えない遠い星

ブラウン氏らがプラネット・ナインは存在すると考える理由は、それが海王星の外側にあるカイパーベルトの天体の一部に影響を与えているように見えるためだ。カイパーベルトに集まる小さな天体のなかには、太陽に最も接近したときの距離は太陽・地球間の約50倍以内なのに、最も離れたときはその3倍以上になるなど、極端な軌道を持つものがある。

16年、バティギン氏とブラウン氏は、そのうち6個の天体について詳しく調べていた。それらの天体の楕円形で傾いた軌道は、科学者たちを長年困惑させてきたが、このときブラウン氏らのチームは、質量が地球の約10倍ほどの惑星が、重力によって天体の軌道に影響を与えているに違いないと結論付けた。惑星の質量は、地球よりは大きく、海王星よりは小さいと推定された。

ブラウン氏とバティギン氏は今回、16年に発表した論文以降の議論にこたえるべく、プラネット・ナインの大きさと軌道を計算し直した。その際、前回とは少し異なる天体に目を付けた。5年前に調べた6個の天体のうち一部は残したが、新たにいくつか別の天体を加え、最終的に11個のカイパーベルト天体を分析対象とした。

その結果、これらの天体の奇妙な軌道は99.6%の確率で、未知の天体の影響を受けているという結論に達した。

米アリゾナ大学のレヌ・マルホトラ氏は、この数字に感心しつつも、逆に言えば250分の1の確率で偶然そうなった可能性もあるということだと指摘する。16年のブラウン氏らによる予測では、その確率は1万分の1だった。マルホトラ氏は、プラネット・ナインの存在を否定も肯定もすることなく、独自にその位置を調べている。

11個の天体の軌道を形作っているものが何であれ、バティギン氏は他にも多くのシミュレーションを実行し、その特徴や、特に位置と質量についての予測を出した。プラネット・ナインの軌道があるであろう方向を指し示す「宝の地図」は、そうやって作成された。ただし、地図のどこに惑星が潜んでいるかはまだ一切わかっていない。

新しく計算された質量は、地球の5~6倍と、過去の予測より小さくなった。同時に軌道も過去の予測より小さくなり、地球に近くなったため、プラネット・ナインはこれまで考えられていたよりも明るく夜空に輝いているはずだ。ただしブラウン氏によれば、惑星が何でできているかによって明るさは変わってくるという。

プラネット・ナインの見つけ方は

もしプラネット・ナインが実在するなら、現在それは地球から最も離れた軌道上にあるのではないかと、ブラウン氏とバティギン氏は考えている。あまりに遠すぎて姿がかすんでしまい、さらに他の星々に紛れて見えなくなっているのだろうと。現在ブラウン氏らは、ハワイ島のマウナケア山にある、すばる望遠鏡を使ってプラネット・ナインを見つけようとしているが、地球上に存在する最も鮮明な望遠鏡であっても、それは容易な仕事ではない。

ブラウン氏らが計算ではじき出した明るさと軌道であれば、プラネット・ナインは天の川に集まる他の明るい星たちに交じって見えにくくなっている可能性が高い。

「隠れているとしたら、天の川のなかだとしか考えられません。こんなに明るく、こんなに近くにあって、こんなに目立つ天体なのですから。でも、もうすぐ見つかると思いますよ」と、米エール大学の天文学者グレッグ・ラフリン氏は話す。

頼みとするのはすばる望遠鏡だけではない。太陽系外惑星を探している米航空宇宙局(NASA)の「トランジット系外惑星探索衛星(TESS)」もまた、プラネット・ナインの軌道があると思われる領域を観測したときに、その姿をとらえるかもしれない。

19年に天文学者たちは、TESSの観測データをうまく処理すれば、太陽系外縁の天体を拾い出せるかもしれないと提案した。現在、ラフリン氏とエール大学のマレナ・ライス氏がこの作業に取り組んでいる。

だが、多くの天文学者が最も期待を寄せているのは、チリの山頂に現在建設中のベラ・ルービン天文台だ。およそ満月40個分という驚異的に広い視野を持つ口径8.4メートルの「大型シノプティック・サーベイ望遠鏡(LSST)」は、設置場所から見渡せる限りの夜空を、数日ごとに撮影できるという。23年から本格的な運用が開始されれば、天文学者たちは数百万もの天体の動きを追えるようになるはずだ。

そのなかには、宇宙ゴミ、隕石(いんせき)、彗星(すいせい)、スパイ衛星、恒星、そしてプラネット・ナインが含まれているかもしれない。

(文 NADIA DRAKE、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2021年9月5日付]

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