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働く女性も、専業主婦もぶつかる「中年の危機」

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日経ウーマンオンライン
「ミッドライフクライシス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本語に訳すと「中年の危機」です。これは、さまざまなきっかけでそれまでの価値観がひっくり返り、その後の生き方を問い直すことになる、人生の分岐点です。その分岐点に立った時、どんな風景が見え、どう心が動くのか――。中年まで時間がある人にこそ知って欲しいミッドライフクライシスについて、その乗り越え方を含めてナビゲートします。

キャリア女性は「仕事だけ」に、主婦は「キャリアのなさ」に悩む

人生の残り時間を意識し始める30代後半。今までの自分の生き方や価値観では、ここから先は通用しない…。そんな心の危機的状況に陥ることをミッドライフクライシスと言います。

ミッドライフクライシスは、男性にも女性にも起こるもの。しかし、男性に比べ、女性のミッドライフクライシスはとても複雑だと広島大学教授の岡本祐子さんは言います。

 「多くの女性は、20代前半には『どんな人生を送るのが自分らしいか』を選択しています。つまり、キャリアを積むことに重きを置く人生か、家庭に重きを置く人生かを選ぶのです。

 もちろん、仕事をしながら家庭を築き、子育てをする女性もいますが、その場合も、『仕事をしている自分の方が自分らしい』という人と、『家庭にいる自分の方が自分らしい』という人がおり、それがその人にとってのアイデンティティを作り上げています」

20代で「キャリアに重きを置く人生」を選んだ人も、「家庭作りに重きを置く人生」を選んだ人も、その多くが中年期に「これでよかったのだろうか」と自問自答するのだそう。

「仕事だけの人生」に疑問を持つキャリア女性

 「一般的に女性は、『関係性』を大切にします。恋愛や結婚、出産や子育てといった、他人と深く関わることを男性よりも重視するのです。そのため、キャリアに重きを置く人生を選んだ女性の多くは、仕事の面で一人前になったと実感したら、今度は結婚や出産などにとりかかります。しかし、それがうまく達成できなかった場合、30代後半くらいから、『仕事だけの人生でよかったのだろうか』と感じてしまうのです。ここが男性と大きく違うところですね。

 男性の場合、若い頃に描いたビジョン通りにいかず、頭打ちを感じたとしても、仕事面で『でもまあ、自分の人生、これはこれでよかった』と折り合いがつけば、ミッドライフクライシスは収まります。しかし、女性の場合、関係性を重視するため、仕事など、個人としての目標達成だけでは自分らしくないと思う傾向にあります。そのため、仕事とプライベートの両面でミッドライフクライシスを乗り越えなければならないのです」

40歳が近づくと、特に女性は「出産のリミット」に直面します。子どもを持つラストチャンスに賭け、実現することもありますが、「子どもを持たない人生」を受け入れることになる人もいるでしょう。そうしたことから、「キャリアだけの人生でよかったのだろうか」という思いにとらわれるようになる女性も少なくありません。

人生は選択の連続です。しかし、自分の意志で積み重ねてきたはずの選択が間違っていたのではと感じた時、人は自分の根っこが揺らぐような感覚を味わいます。それがミッドライフクライシスなのです。

「自分のキャリアがない」ことに悩む専業主婦

「根っこが揺らぐ」経験をする可能性は、専業主婦といった、家庭に重きを置く人生を選んだ人にもあるのだとか。

 「子育て中心の生活をしてきた女性の場合、子どもがある程度育った時がミッドライフクライシスになりやすいですね。子どもがちゃんと育ち、幸せそのものの家庭を築いている女性でも、『自分の人生はこれでよかったのだろうか』と悩む方は多いんです。30代半ばを過ぎたあたりから、『これが自分だと言えるキャリアを持ちたい』と切実に悩むようになるのです」

男女雇用機会均等法やジェンダー教育などによって、女性もキャリアを積みやすくなり、仕事を持つ女性が増えました。また、仕事と子育てを両立している女性も少なくありません。そのため、今は「仕事」や「キャリア」を持っていない女性が、欠落感を刺激されやすいと岡本さんは指摘します。

では、仕事も家庭も両方手に入れた女性なら、ミッドライフクライシスにはならないのでしょうか。

 「いえ、そうとも限りません。働きながら子育てした女性の場合、『子どもとの時間を十分に取れなかった』という罪悪感を抱きがち。また、身体の衰えや病気で残り時間を意識したり、仕事で『ここまでしか達成できなかった』と感じる方も多いでしょう。そうしたことから、『これでよかったのだろうか』とそれまでの生き方や価値観が揺らぐことがあるのです」

また、子どもを持ったからこその問題も、中年期に表れやすいのだとか。

 「子どもが小さい時は楽しいことの方が多いものですが、思春期以降は親がよほどしっかりしていないと、『勉強ができて欲しい』『こんな職業に就いて欲しい』といった親の価値観を押し付けがち。親の『こうあるべき』という思いがあまりに強い場合、子どもはうまく親離れや自立ができません。すると、無意識に反社会的な行動をして、親の顔に泥を塗ることで自立しようとします。中年期は自分自身の葛藤だけでなく、子どもとの関係でも葛藤が生じやすいのです」

どんな道を選んだ女性にも、ミッドライフクライシスはやってきます。言い換えると、どんな道を選んでも悩むのなら、どんな道も間違いではないとも言えます。そして、そうした葛藤は決してマイナスではないようです。

 「女性の場合、母や妻、仕事人など、さまざまな役割を担い、しかもどの役割にも主体的に、そして積極的に関わらなければなりません。葛藤や危機に直面する中で、女性たちは必然的に危機対応能力を養っているとも言えるでしょう。いろいろな顔を持つことは、ストレスという否定的な影響だけではなく、アイデンティティの発達を促進させてくれる可能性が高いのです」

選ばなかった人生を悔やむのではなく、とことん自分と向き合う。そうして、折り合いを付けていくことこそが大切なのかもしれません。

参考文献:岡本祐子著「アイデンティティ生涯発達論の射程」、「アイデンティティ生涯発達論の展開:中年の危機と心の深化」(ともにミネルヴァ書房)

岡本祐子さん
広島大学大学院教育学研究科心理学講座教授。教育学博士、臨床心理士。青年期より中年期の発達と危機を中心とした、成人期のアイデンティティの発達臨床的研究に携わる。並行して臨床心理士として、子どもから高齢者までのカウンセリング・心理療法を実践。2012年8月、これまでのアイデンティティ研究・ライフサイクル研究の成果が国際的に認められ、アメリカ合衆国Austen Riggs Centerより、Erikson Scholarの称号を授与された。

(ライター 吉田渓)

[nikkei WOMAN Online 2014年6月16日付記事を基に再構成]

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