「デタラメ」があふれる情報社会

本書のタイトルにもなり、一貫して語られる「デタラメ」という言葉。その定義は一体なんでしょうか。著者によると、「デタラメとは、真実や話の内容や辻褄(つじつま)などそっちのけで、言葉、統計的な数字、画像データその他を駆使して相手の気持ちを惑わせ、圧倒し、怖気づかせて、相手を説得したり感化したりしようとすることである」(64ページ)ということになります。とくに、それらは政治的な信条を声を大にして語るときだったり、商品を声高に訴えようとする広告の文言だったりするときに発揮されるので、注意が必要です。言葉巧みに、時には数値やデータを使って、迫真性を強調することが多いので、そのためのウソの見破り方を本書では繰り返し、かつ具体的な事例をもとに解説されています。

インターネットは途方もない変化をもたらした。情報がどうつくられるのか、どのような順番で提示されるのかを変え、情報が発見され、拡散され、消費される方法も一変させた。情報の流れが中央集権型から分散型に変わるというプラスの面とともに、マイナス面も覚悟しなければならなかった。大規模に構築されたネットワーク、クリック数が意味を持つソーシャルメディアの世界は、デタラメが拡散するににはもってこいだ。こんな環境は、これまでに存在していなかった。デタラメに騙されないように、ますます気持ちを引き締めなければならない。
(同章 61ページ)

デタラメから身を守る

それでは、具体的に「デタラメ」から身を守るには、どうしたらいいか。著者が説く対策は以下の通りです。

(1)裏付けを取り、別の視点から確認する。これまで聞いたことのない情報源から驚くべき情報や大ニュースが発信されたら、同様の情報を検索エンジンで探してみる。見つからなければ、かなり怪しい。ニュースサイトが一大スクープを報じた場合には、報じたという事実を即座に他のメディアが伝える。そこに信頼できる情報源が含まれているどうかを確認しよう。

(2)どこから出た情報なのかを確認する。道にキャンディが落ちていても、拾って食べたり友達と分けたりしないだろう。出所がわからない情報も同じだ。

(3)オリジナルの情報までたどる。時間も労力もかかるが、誤情報の拡散を防ぐには有効だ。見出しやツイートを見るだけはなく、ニュースの本文に必ず目を通す。

(4)画像を使って検索する。

(5)ディープフェイク、シンセティック・メディアに警戒する。

(6)ファクトチェックの組織を活用する。

(7)相手の正体を見極める。フェイクニュースのつくり手は、ありとあらゆる方法でまっとうな情報に見せかけようとする。

(8)ウェブサイトの実績を確かめる。ウェブサイトの信頼度はどうすれば確認できるだろう。過去にフェイクニュースを発信しているかどうか確かめてみよう。

(9)真理の錯誤効果に用心する。何度も繰り返し目にしていると、それを信じやすくなる。

(10)情報の摂取を減らす。1日に数回は一息ついて、退屈なくらいの時間を過ごそう。(360~363ページ、一部抜粋)