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ディーン・フジオカさん 実績「逆輸入」で幅広い活躍

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NIKKEI STYLE

東京五輪・パラリンピックが開催されていましたが、今夏は恋愛系の連続ドラマが多かったですね。テレワークやステイホーム中心の生活であっても、ドラマを通して夏らしさを感じることができた方々もいらっしゃるのではないでしょうか。

主人公の幸せを最優先に見守る

最近の恋愛ドラマで話題になるのが、物語の主軸となる男女の恋愛の傍らにたたずむ人物の存在感です。主人公である女性の味方となり陰で支えながら、自身の恋は成就することなく、最終的にはヒロインの幸せを一番に考え、見守り続けていくというのが役どころです。

このポジションを演じる俳優さんたちが、ツイッターなどで話題を集める傾向にあります。この夏の連続ドラマでは、『推しの王子様』(フジテレビ系)のディーン・フジオカさんがその1人と言えるのではないでしょうか。

『推しの王子様』は、比嘉愛未さんが演じるスタートアップ企業「ペガサス・インク」の社長・日高泉美が主人公の物語です。同社は女性向け恋愛ゲームを手掛けています。

ディーンさんは、この会社の副社長兼ゲームディレクターとして、泉美社長を力強くもやさしくサポートし続ける役を演じています。そんなペガサス・インクが手掛ける大ヒットゲームには「ケント様」というキャラクターが登場します。ケント様は実は、泉美社長自身の「推しキャラ」でもあります。渡邊圭祐さんが演じる五十嵐航はそのケント様とそっくり。泉美社長はそんな航と出逢い、公私の両面で航を理想の男性像に育て上げていくことを決意します。

恋愛模様がメインテーマであるとはいえ、組織運営や人材育成を考える上でも、気づきの多いお仕事ドラマになっています。

このドラマの第1話完成報告会の場で、主演の比嘉さんは、副社長役を演じているディーンさんのことを「巻きの王子様」と呼んでいると明かしていました。ディーンさんは「巻いて(撮影を早めに終わらせられるようにして)、1秒でも早く帰ろう。それがクオリティーにつながる」という認識のもと、効率的に仕事をこなす労務管理の面からも、現場をまとめあげているのだとか。

規律正しいイメージのあるディーンさんらしいエピソードのような気がします。

海外で活躍した後、35歳で朝ドラ好演

今では現場でこのような役割を果たすほどの地位を築き上げたディーンさん。日本でその名が知られるようになったのは、2015年に放送されたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』の五代友厚役の好演からでした。

容姿端麗という表現がぴったり当てはまるルックスとさっそうとしたいでたちに加え、やさしい声質――。朝ドラに登場するやいなや、世の女性たちを一気に虜(とりこ)にしました。

すでに35歳であったディーンさんは、それまで日本での活動はほとんどなく、海外で活躍してからの登場であったことも、一躍注目を集めた背景にあったといえます。

学生時代を米国で過ごした後、04年に香港でモデル活動をスタートさせています。香港のクラブで飛び入りでラップを披露していたところ、客席にいたファッション雑誌編集者にスカウトされたのをきっかけに、雑誌や広告、ファッションショーなどで活躍するようになりました。

その後、06年には活動拠点を香港から台湾・台北へと移し、テレビドラマにも出演するなど活動の幅を広げていきます。09年には音楽制作の拠点をインドネシア・ジャカルタに移し、11年から日本での活動を本格的に開始しました。

15年の朝ドラ出演以降は東京を拠点に、俳優、ミュージシャン、モデル、映画監督、絵本作家など、多岐に渡り活躍されています。

日本にいる立場から見ると、海外で活躍してきた俳優との印象が強く、とても新鮮でした。その新鮮さが、「五代様」という孤高の人物像を作り上げ、「逆輸入俳優のディーン・フジオカ」として、新たな価値と市場を生み出したように思います。

ビジネスの世界における「ブルーオーシャン」は、競争相手のいない未開拓市場のことを指します。経済学用語としてだけでなく、実践の場においても注目されています。

この対立概念として、「レッドオーシャン」があります。競合他社との激しい競争によって、血塗られたような既存の事業領域のことを指します。コモディティー(汎用)化が進みやすいため、継続的に業績を上げることはなかなか難しいのが現実です。

多くの場合、企業も個人もこのレッドオーシャンでしのぎを削っています。もし、ディーンさんが20代のときに日本でデビューし、俳優としての活動を始動していたら……。当然のことながら、同世代の俳優たちと同じような立場で競争してこなければならなかったでしょう。

しかし、ディーンさんは、アジア圏を舞台に、英語、中国語、インドネシア語と堪能な語学力を生かし、モデル、役者、ミュージシャンとして多分野で実績を積んできました。その上で、30代半ばに海外から突然現れたことで、国内ではライバルが見当たらない逆輸入俳優として、レッドオーシャンでの競争に参加することなく、歩んできました。まさに自らブルーオーシャンを創造できたのです。

他国で実績積んだ俳優が次々に登場

ブルーオーシャンでの成功事例が注目されると、当然のことながら同業のライバルがその市場を狙ってきます。つまり、全く新しい市場を切り開いたブルーオーシャンでも、やがて競争が生まれるようになります。

俳優業の世界も例外ではありません。ディーンさんに続く形で、大谷亮平さんや葉山ヒロさんなど、すでにアジア圏の他国で実績を積み、30代になってから日本で活躍する俳優さんたちが次々に登場するようになりました。

そうなると、希少価値が薄れ、独自性が弱まってしまう恐れが出てきます。しかし、ディーンさんの場合は、映画やドラマだけでなく、ミュージシャンとしても活動しています。複数の言語を操り、クリエイターの資質も持ち合わせていますので、今後も独自のブルーオーシャンを開拓していけるのではないでしょうか。

22年1月には、ディーンさんが企画・プロデュースした主演映画『Pure Japanese』が全国公開される予定です。この作品では「現代社会における日本人の定義とは何か?」をテーマに、表向きの礼儀正しさや思慮深さの陰にチラつくサディスティックな性質の正体が描かれていくとのことです。まさに外から日本を見つめてきたクリエイターかつ表現者として、独自の力が発揮されることでしょう。

果たして今後、どのような新市場を創造していくのか……。NHK大河ドラマ『青天を衝(つ)け』で再び五代友厚を演じるディーンさんの雄姿をめでつつ、新市場開拓の観点からも興味深く追っていきたいと思います。

鈴木ともみ
 経済キャスター。国士舘大学政経学部兼任講師、早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員。JazzEMPアンバサダー、日本記者クラブ会員。多様性キャリア研究所副所長。地上波初の株式市況中継番組を始め、国際金融都市構想に関する情報番組『Tokyo Financial Street』(STOCKVOICE TV)キャスターを務めるなど、テレビ、ラジオ、各種シンポジウムへ出演。雑誌やニュースサイトにてコラムを連載。近著に「資産寿命を延ばす逆算力」(シャスタインターナショナル)がある。

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