海外で活躍した後、35歳で朝ドラ好演

今では現場でこのような役割を果たすほどの地位を築き上げたディーンさん。日本でその名が知られるようになったのは、2015年に放送されたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』の五代友厚役の好演からでした。

容姿端麗という表現がぴったり当てはまるルックスとさっそうとしたいでたちに加え、やさしい声質――。朝ドラに登場するやいなや、世の女性たちを一気に虜(とりこ)にしました。

すでに35歳であったディーンさんは、それまで日本での活動はほとんどなく、海外で活躍してからの登場であったことも、一躍注目を集めた背景にあったといえます。

学生時代を米国で過ごした後、04年に香港でモデル活動をスタートさせています。香港のクラブで飛び入りでラップを披露していたところ、客席にいたファッション雑誌編集者にスカウトされたのをきっかけに、雑誌や広告、ファッションショーなどで活躍するようになりました。

その後、06年には活動拠点を香港から台湾・台北へと移し、テレビドラマにも出演するなど活動の幅を広げていきます。09年には音楽制作の拠点をインドネシア・ジャカルタに移し、11年から日本での活動を本格的に開始しました。

15年の朝ドラ出演以降は東京を拠点に、俳優、ミュージシャン、モデル、映画監督、絵本作家など、多岐に渡り活躍されています。

日本にいる立場から見ると、海外で活躍してきた俳優との印象が強く、とても新鮮でした。その新鮮さが、「五代様」という孤高の人物像を作り上げ、「逆輸入俳優のディーン・フジオカ」として、新たな価値と市場を生み出したように思います。

ビジネスの世界における「ブルーオーシャン」は、競争相手のいない未開拓市場のことを指します。経済学用語としてだけでなく、実践の場においても注目されています。

この対立概念として、「レッドオーシャン」があります。競合他社との激しい競争によって、血塗られたような既存の事業領域のことを指します。コモディティー(汎用)化が進みやすいため、継続的に業績を上げることはなかなか難しいのが現実です。

次のページ
他国で実績積んだ俳優が次々に登場