抹茶は筋肉疲労を穏やかにし、筋トレ効果を高める

ここからは、抹茶の健康効果についての最新報告を見ていこう。多くの人の関心を集めている筋肉・筋トレとの関係についても近年、興味深い研究が出ている。抹茶を毎日飲むことによる筋肉への効果が確認されたのだ。筋トレを行いつつ抹茶を飲んだ群、飲まなかった群に分けて行った研究では、抹茶を飲んだ群では骨格筋量の増加が認められた(下グラフ)。

「抹茶飲用群では主観的な疲労感も軽減され、唾液中のストレスホルモン、コルチゾールが抹茶飲用群で低下していたことから、抹茶の日常的な摂取によって筋トレ時の疲労が緩和されたのではと見ています」(福島さん)

また、抹茶飲用群では、便中のビフィズス菌などが増加し、動体視力の向上も確認されたという。抹茶は、運動と組み合わせて飲むようにすると効果が期待できそうだ。

抹茶摂取で筋肉量が増えた

筋トレ習慣のない健康な男子大学生19人を対象に、筋トレを毎日実施しながら毎日2杯の抹茶飲料(1杯あたり抹茶1.5g配合)またはプラセボ飲料を12週間摂取した。抹茶飲用群で有意な骨格筋量の増加が認められた。(データ:京都府立大学大学院生命環境科学研究科 青井渉准教授による)

ストレス耐性を高める可能性も

また、動物実験の段階ではあるものの、抹茶を飲用したマウスはストレス耐性が高まるという研究も報告された(Biosci Biotechnol Biochem. 2019 Nov;83(11):2121-2127.)。

緑茶(煎茶)や低カフェイン抹茶ではこの効果は得られず、抹茶で効果が見られたことから、「抹茶に含まれ、覚醒作用をもたらすカフェイン、リラックス作用をもたらすテアニンのバランスがプラスに働いている可能性があると見ています」(福島さん)

このほか、認知機能や肌の保湿効果、毛細血管の保護機能など、さまざまな健康効果が報告されている。

「1杯あたりで緑茶の倍量のカテキンを含むほか、カフェインやテアニン、ルテイン、ビタミンKといった成分を豊富に含む抹茶は機能性飲料として高いポテンシャルを持つと期待しています」と福島さん。

抹茶はスーパーのお茶売り場にも売っていて、湯で溶くのはもちろん、抹茶ラテにしたりパンケーキやヨーグルトに混ぜたりなど、おいしく食べるバリエーションはいろいろある。身近なアンチエイジング素材として食生活に取り入れてみたい。

(ライター 柳本操、グラフ制作 増田真一)

[日経Gooday2021年9月7日付記事を再構成]

福島洋一さん
ネスレ日本ウエルネスコミュニケーション室 室長。東京農工大学農学部農芸化学科卒業、同大学大学院修了後、ネスレ日本入社。農学博士。ネスレ中央研究所(ローザンヌ)、ネスレリサーチ東京R&Dプロジェクトマネージャーを経て2010年より現職。主にコーヒーや抹茶の機能性研究に取り組む。人間総合科学大学非常勤講師。

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