ベトナムではフルーツ専用の塩が売られている

海外には何と「フルーツ専用」の塩も

海外に目を転じれば、タイには「ローイゲーオ」と呼ばれる伝統的なスイーツがある。塩をまぶして軽く脱水したフルーツを、塩と砂糖でできたシロップに浮かべて食べるデザートのことで、中でもライチが有名だ。

このローイゲーオをヒントに、キリンの「世界のキッチンから」シリーズの「ソルティライチ」が生まれたそうだ。ソルティライチのヒットを見れば、日本人にも味覚的に受け入れられるもの、であることが分かるはずだ。

ベトナムでは、一般的なスーパーマーケットでフルーツ専用の塩が売られている。しかも、かなり細分化されており、生のグアバの売り場には「グアバ専用」の、生のマンゴーの売り場には「マンゴー専用」の塩がそれぞれ並んでいる。

いずれも塩単体ではなく、唐辛子などを加え辛味を出した調味塩になっている点が面白い。甘味に辛味や塩味との組み合わせは、なかなか日本ではお目にかからない。もっとも塩味が全体の甘さを引き立て、甘さの後に辛さ、さらにまた甘さが続き……と、絶妙な味わいの変化は実際、癖になりそうでもある。

海老のフレーバーがついた変わり種もある。フルーツをフルーツとしてでなく、サラダのような一品として食べているお国柄が、そこにうかがえる。

カンボジアでは、未熟のタマリンドやグアバに塩と唐辛子などで作られた辛くてしょっぱい調味料をつけて食べる「マチュー」と呼ばれるおやつがある。パイナップルなど熟したフルーツには、ベトナム同様、唐辛子と塩でできた調味塩「オンバルマテッ」をつけて食べるそうだ。どちらも屋台で気軽に食べられたり、専門店があったり。それだけ愛されているメニューということだろう。

日本ではフルーツ専用の塩は製造されていないが、エン(東京・港)がフリーズドライで乾燥させたフルーツを塩でコーティングした「フルッソ」という商品を発売している。フランボワーズ、パイナップル、ブルーベリーの3種類があり、西オーストラリアの湖塩でコーティングされているので、口の中でフルーツ×塩の味わいが楽しめる。そのままでもおやつとしておいしいし、料理用の調味料としても使える。

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自宅で楽しむ旬の果物と塩の組み合わせ