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組織論や人材論の経営書を納めた書棚前の平台に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

組織論や人材論の経営書を納めた書棚前の平台に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店だ。都心ビジネス街の人出は相変わらず戻っておらず、ビジネス書の新刊への反応も強くない。そんな中、書店員が注目するのは、有力外資系コンサルティングファームによる組織変革の手法を詳細に解説した経営書だった。

ベインのコンサルタントが執筆

その本はダレル・リグビー、サラ・エルク、スティーブ・ベレズ『AX(アジャイル・トランスフォーメーション)戦略』(石川順也・市川雅稔監訳・解説、川島睦保訳、東洋経済新報社)。著者の3人は大手外資系戦略コンサルティングファーム、ベイン・アンド・カンパニーのコンサルタント。監訳・解説の2人も同社東京オフィスのコンサルタントで、ベインが提供してきた企業変革の知見をもとに、アジャイル経営という経営手法を成功させる虎の巻として書かれたのが本書だ。

アジャイルという言葉自体は聞いたことのある人が多いだろう。素早い、機敏な、といった意味を持つ英語で、ソフトウエア開発を迅速かつ柔軟に進める手法として確立され、広く浸透してきた。これを企業経営に応用したのがアジャイル経営で、「自律マネジメント型のチームが高速回転しながらイノベーションを推進するビジネスの手法」と定義される。メガサプライヤーのボッシュやデジタル企業のアマゾン、スポティファイ、ネットフィリックスなどこの手法を取り入れている企業は数多い。

だが、この手法は手軽に飛びついて導入しようとしてもうまくいくものではない。つまずくポイントはどこか、悪いアジャイルと良いアジャイルを切り分け、正しい推進につなげるにはどうすべきか。こうした点に留意しながら、豊富な実例をもとに詳細に検討していく。

全体は9章構成。第1章「アジャイルはどのように機能するのか」から始まり、アジャイルの拡大、適用範囲、リーダーシップのあり方、計画・予算・検証の仕方、組織・構造・人材管理のやり方、プロセスやテクノロジーと問題解決の関係、そしてアジャイル企業になる不可欠な能力まで段階を追って論じていく。

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