アスリートのファッション 影響力高まる

――アスリートの存在感が増しています。このほど閉幕した東京オリンピック・パラリンピックでは鍛え上げられた肉体の美しさが強烈なインパクトを残しました。スポーツがファッションに与える影響をどうみていますか。

「この時期に五輪を開催したことの賛否は別として、きらきら輝いているアスリートの魅力に触れて、日本人のライフスタイルは大きく変わるはずです。お化粧をして、着飾って、ランウエーを歩くモデルもすてきですが、僕の率直な意見は、人類で一番魅力的なのはアスリートだということ。2020年に米プロフットボールNFLの優勝決定戦『スーパーボウル』で優勝したチーム、タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバックのトム・ブレイディは、アンダーアーマーの契約選手で、7回スーパーボウルで勝つという、前人未踏の記録を持つ大スターです。そのフィジカルな能力が人を感動させるだけでなく、彼のファッションスタイルは多くの米国人に影響を与えてもいます」

「いま、消費者にアプローチしようと思ったら、アスリートの力を借りるのがもっとも効果的でしょう。僕は率直に人類で一番魅力があるのはアスリートだと思っています」

――人々がアスリートのカッコよさに触発され、その装いがファッショントレンドになるのは昔からよくある現象でした。

「僕も子供のころ、テニス選手のビョルン・ボルグやジョン・マッケンローに憧れ、彼らが着ていた『フィラ』や『セルジオ・タッキーニ』といったグローバルブランドを知りました。サッカーでいえば、ベッケンバウアーが履いていた『アディダス』ですね」

「ファッションの世界におけるアスリートの存在感は一段と増しています。今回の五輪で一例を挙げるとすれば、タトゥー(入れ墨)でしょう。一昔前とは比べられないほど多くの選手がタトゥーをしていました。それを見て若者はタトゥーを入れたくなるかもしれない。その時初めて、タトゥーを入れるという行為はどういうことなのか、と考える。そして、なぜこういう格好をしているのだろうか、と。五輪やワールドカップというグローバルな大会は、ファッションの背景について思索をめぐらすきっかけにもなるんじゃないかな」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

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