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写真はイメージ=PIXTA

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「元気が出ない」「希望が持てない」というときは「メンタルでなんとかしようとするのではなく、まずは動いてみる。そんな具体的なノウハウが必要です」。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手、アスリート、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる医師の小林弘幸氏はこう言います。そんなノウハウを108項紹介した『整える習慣』(日経ビジネス人文庫)から、その一部を紹介します。7回目は行動パターンの整え方です。

◇   ◇   ◇

1日を振り返り、「失敗」を「成功」に上書きする

「落ち着いた時間」を30分ほどとったら、その次は「1日を振り返る時間」をとります。5分か10分あれば十分です。

あまり真剣かつ深刻に振り返るのではなく、ぼんやりとした気持ちで構わないので「今日は、こんなところがうまくいったな」「ここは失敗したな」ということを穏やかな気持ちで思い出してください。

そして、ここが大事なポイントなのですが、「失敗したこと」については「こうすればよかった」「次回はこうしよう」という改善パターン、理想のパターンを少しだけリアルに思い描いてください。

以前、私はレストランで食事をしていた際、ワインがあまりにおいしかったので、ウエイターがすすめるままに飲みすぎて、翌日コンディションを崩してしまったことがありました。

そんな日の夜は「あのとき3杯目のワインは断ればよかった」と失敗した場面を思い描きます。それと同時に、ワイングラスをそっと手でふさぎ「もうけっこうです」とウエイターに断っている「リアルな自分」をイメージします。

いわば、記憶の上書きです。

そこまでリアルに想像し、記憶を成功パターンに塗り替えておくと、次に同じような場面に遭遇した際、自分が理想とする行動パターンを引き出しやすくなります。

じつはこれが非常に大事。

この手法は外科医の極意でもあって、通常外科医は手術をする前に何回も頭の中でシミュレーションします。優秀な外科医ほど、終了した手術についてもしっかり振り返り「あのケースは、もっとこうすればよかった」とリアルなイメージの上書きをしておきます。行動の質を高める上で、非常に大事な習慣です。

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