Men's Fashion

「こびない、盛らない、ごまかさない」ドーム安田会長

リーダーが語る 仕事の装い

ドーム会長 安田秀一氏(上)

2021.9.6

ごくシンプルなスエットの上下にニットスニーカー。それが、スポーツプロダクト事業を展開するドーム(東京・江東)会長、安田秀一さんの「自分なりの仕事スタイル」だ。日本総代理店を務める米スポーツブランド「アンダーアーマー」との出合いは1998年。無駄をそぎ落とした機能美に衝撃を受け、その時を境に「盛る」おしゃれと決別した。そもそも高校時代からアメリカンフットボールの名選手として活躍した偉丈夫は、健康的な肉体と整った姿勢こそが、美しいたたずまいの根本であることを知る。着飾ってごまかすのではなく、シンプルな服が似合う自分でありたい――。そんな「カッコよさの本質」について熱く語った。(この記事の〈下〉は「アンダーアーマーの思想、シャネルと共鳴 ドーム会長」




ビジネススタイルは「自分なり」 だから夏は短パン

――いつもこうしたラフな格好で仕事をしているのですか。

「夏は短パンが多く、基本はリラックスした感じです。このスエットは『UAリカバー』といって、特殊な素材が体の熱を遠赤外線に変換し、血流を高めて疲労をやわらげるものです。靴にも同じ素材が使われています。冬はズボンが長くなりますが、その上に1枚羽織る程度。厚着が苦手で重ねても2枚。3枚重ね着することはほとんどないですね」

ソックスのようなトレーニングシューズ「UAリカバー レース」。身体が発した熱エネルギーを遠赤外線に変換して筋肉の疲労を軽減する素材が使われている

「でも僕はラフとかカジュアルとか、そういう定義はしません。ゴルフ場、レストラン、パーティーなどは別として、普通の仕事をする場にはドレスコードがないのだから、自分なりのスタイルを貫く、これが正解です」

――自分なりのスタイルでいく。社員の服装も自由なのですね。

「もちろんです。採用面接でも学生さんに『自分らしい格好で来てください』と伝えています。やっぱりリクルートスーツで来る人が多いですけどね。就活のときだけ茶髪を黒髪に染める必要もないですよ。なぜそれをやるのか、分からない。そういう形式的な『日本あるある』がまったく好きではないんです。合理的ではないですから。仕事相手が『ラフ』な格好で来訪されても失礼だとは感じません」