イチローら現役40代に共感 スポーツ選手のタレント力
日経エンタテインメント!
すべてのジャンルを含めた総合トップ3に浅田真央、羽生結弦と2人のフィギュア選手がランクインした、2014年の「タレントパワーランキング」。広い世代から支持を得る選手にはどんな特徴があるのか。「アスリートイメージ評価調査」の担当者に解説してもらった。
スポーツ選手(引退した元選手も含む)のナンバー1は、今回調査の総合1位でもある浅田真央。次いで羽生結弦(ゆづる)と、ソチ五輪で注目度を高めたフィギュアスケートの2人が並んだ。この2人が上位にきたのは、調査を実施したのがソチ五輪直後の2月だったというタイミングもあるが、彼らを含めトップ10はいずれもオリンピックなどの国際大会や、野球やサッカーの海外リーグで活躍する"世界で戦う"顔が占めている。
オリンピックで金メダルを獲得した羽生が、今回最もスコアを伸ばしたように、スポーツ選手は成績が興味に直結する。同様にずば抜けた結果を残し、認知度、関心度共に大きく伸ばしたのが、5位の田中将大(まさひろ)だ。楽天イーグルスに所属していた2013年は、シーズン成績24勝0敗。史上初の「無敗の最多勝投手」で、チームを2005年の創設以来、初の日本一に導いた。2014年から7年総額約161億円の大型契約で、ニューヨーク・ヤンキースへと移籍を果たした。
こうした圧倒的な実績と共に「田中選手は評価されるポイントが大きく変わってきた」と言うのは、博報堂DYメディアパートナーズで、「アスリートイメージ評価調査」を担当する大足由紀子氏。同調査はCM起用などの参考とするため、主なスポーツ選手についてどんなイメージがあるか、「情熱的」「爽やか」など、29項目について聞くもの。「マーくん」の愛称を持つ田中の場合、「以前は『親しみやすい』『純粋』といったイメージが高かったが、最近は『パワフルな』『存在感がある』などの回答が増えている」(大足氏、以下同)。
イチローにカズ、「挑戦」を続ける姿に共感
一方、成績以外の面も含めて高い評価を得ているのが、3位のイチロー。「日経エンタテインメント!」がタレントパワーランキング調査を掲載し始めた2008年以降、7年連続で総合トップ10入りを果たしているが、記録面で注目されたのは、10年連続200安打を打った2010年ごろまで。40歳になった現在は控えを務めることもあるが、2014年もスコアをわずかながら伸ばした。大足氏は「『かっこいい』『知性的な』といった外見を表すイメージ、『存在感がある』などの内面的な項目、イチローは両面で評価が高い」と言う。なかでも「常にチャレンジ精神を持ち続けている」という項目では、毎回のようにトップとなるそうだ。
同様にこの「チャレンジしている」という点で、評価されているのが、16位の三浦知良(カズ)。47歳となった今期も、J2の横浜FCに所属。日本人サッカー選手の最年長プロとしてプレーを続けている。プレーヤーとしての全盛期を超えても、年齢や体力の限界に挑戦する姿に共感を持つ人が多い。
サッカー選手では本田圭佑が6位。2013年末にイタリアの名門「ACミラン」に移籍し注目された。続いてマンチェスター・ユナイテッドの香川真司が7位で、トップ10入りを果たした。
(日経エンタテインメント! 山本伸夫)
[日経エンタテインメント! 2014年6月号の記事を基に再構成]
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