「ビデオ通話中にYouTube」が3割 当世テレワーク事情大河原克行のデータで見るファクト

テレワーク用のデスクと椅子を自宅に確保している人は少ない(写真はイメージ=PIXTA)

新型コロナウイルスとの戦いに終わりが見えないなか、政府は事業者に出勤者の7割減を要請し、人流抑制につなげようとしている。その鍵を握るのがテレワークの普及だが、一部の大手企業を除いて、広がりはいまだ限定的だ。いまどきのテレワークはどうなっているのか。実態をデータで探ってみた。

遠い「出勤者7割減」

パーソル総合研究所(東京・港)が2021年7~8月に全国2万人を対象に実施した調査では、全国の正社員のテレワーク実施率は27.5%だった。最初の緊急事態宣言が出された20年4月の調査に比べて0.4ポイント減となった。

正社員のテレワーク実施率(全国平均)の推移(出所:パーソル総合研究所)

4度目の緊急事態宣言の対象となった東京都に限ると、正社員のテレワーク実施率は47.3%と5割近くなるが、政府が要請している出勤者7割減にはまだ大きな開きがある。

企業規模別でみると、従業員1万人以上の企業における正社員のテレワーク実施率が45.5%であるのに対して、10~100人未満では15.2%にとどまり、中小企業でのテレワーク普及が遅れていることがわかる。

パーソル総合研究所は「中小企業では、いまだにテレワークの社内制度やICT(情報通信技術)整備が進んでいないこと、1人で複数の業務をこなすため出社の必要性が生じやすいことなどが背景にあると考えられる」としている。

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「専用デスク・椅子」確保は3人に1人