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Everybody、「クリティカルヒット」で大躍進

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日経エンタテインメント!

パステルカラーの衣装をまとい、アメリカンポップな表情や動きで笑いを生み出す男女コンビ・Everybody(エビバディ)の勢いが増している。タクトOK!!の心を射止めるために、かわなみchoy?がオリジナルソングを披露するリズムネタ「クリティカルヒット」が代表作。EXITをはじめとする芸能人や、インフルエンサーがこぞってマネしたこともあり、TikTokではこのネタを取り入れた動画が7億回以上再生されている。

注目度が急上昇したきっかけは、今年元日に出演した『ぐるナイおもしろ荘』だ。放送直後にバズることを狙って、ユーチューブとインスタグラム、TikTokに動画を投稿したところ、「期待していた100倍以上も拡散されたんです。もうビックリして。LINEやツイッターの通知も鳴り止まなかったです」(タクト)という。

4月に『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ系)に初出演した際は千鳥が絶賛し、番組の常連に。バラエティーのゲスト出演も増加中で、5月には乳酸菌飲料「ピルクル400」のCMに起用された。

NSC(吉本総合芸能学院)東京校の15期生(タクト)、18期生(choy?)という、先輩・後輩の間柄。お笑い好きになったきっかけは、「『めちゃイケ』のナイナイ岡村(隆史)さん」(タクト)、「『笑う犬の冒険』のホリケン(堀内健)さんが大好きでした」(choy?)と話す。それぞれ別のコンビだった頃から、ライブなどで顔を合わせる機会が多く、交流はあったという。「3~4年前に僕がピン芸人をやっていたときに、同じ衣装の色違いを着てもらって一緒にネタをやったら、めちゃくちゃウケて。手応えを感じてコンビを組むことにしました」(タクト)

「顔芸」ではなく「FACE」

結成は、元号が令和に変わった2019年5月1日。結成時に決めたのは、「お互いにツッコミを入れない」こと。「男女でそろって同じことをやっているほうが、新しいと思ったので」(choy?)

「クリティカルヒット」は、もともとタクトがピン芸人時代に作ったネタで、3人の女性からアプローチされる部分も自分で演じていたという。「1人4役でやっていて。その女性役を立てただけで、こんなにウケ方が違うのかと。自分はずっと無理していたんだなって分かりました(笑)」(タクト)

バラエティーでは、共演者にネタのことを「顔芸」と指摘されると、「いや、これは"FACE(フェイス)"です」と否定している。「顔と動きを合わせた新ジャンルとして"FACE"と呼んでまして」(タクト)。「タクトは私の"FACE"の師匠なんです(笑)。最初は"FACE"だけを取り入れた漫才をやっていて、今でも本当はそっちをやりたい。でも、周りは『リズムのところを見たいから漫才の部分をカットしろ』と言ってくるので、そこが悩みです」(choy?)

NSC時代のそれぞれの同期には、早くから芽が出た芸人が多く、こう振り返る。「ぼる塾の田辺(智加)さん、おばたのお兄さん、ひょっこりはん、大阪だとゆりやんレトリィバァ、ガンバレルーヤがいて。みんながどんどん出ていったときは、焦って心が折れそうになりました。でもそのときに、同じく同期のレインボーの2人が手紙で励ましてくれたんです。結局支えてくれたのも同期で、感謝してます」(choy?)。「最初にテレビに出たのがマテンロウとデニス。そのあとに横澤夏子、おかずクラブが出て、ニューヨークがレギュラー番組を持ったときには悔しすぎて、テレビを見なくなりました。1回芸人を辞めようかと思ったけど、思い描いていた芸をまだやれていないなと。続けてきてよかったです」(タクト)

今後やってみたい仕事は、「子ども向け番組。『おはスタ』(テレ東系)とか憧れます」(choy?)。その他、「海外ロケ」「ドラマ」「ダンス」「歌」「コント番組」と、次から次へと夢や願望があふれ出てきた。結成2年でCM出演と、ロケットスタートを切った彼らの、これからの快進撃に期待したい。

(ライター 遠藤敏文、写真 橋本勝美)

[日経エンタテインメント! 2021年8月号の記事を再構成]

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