Men's Fashion

襟の幅・パンツの裾幅、いまの主流は? スーツQ&A

How to

ニューノーマルのスタンダード(2)

2021.9.13

MEN'S EX

“制服”から“勝負服”へと変わりつつあるスーツ。だからこそ、ひと昔前とは違う視点・基準で選ぶことが重要だ。良質な一着を選び、長く愛用するための秘訣を心得ておこう。




【Q】 「スーツ」と「セットアップ」の違いは?

【A】 セットアップは着回しの幅が強み

昨今よく聞く「セットアップ」。共生地のジャケットとパンツが別売りになった服を指すが、スーツとは一体何が違うのか? その答えは“着回しの幅”。セットアップはジャケット・パンツ単品でも使えるよう、着丈やシルエットが微妙に調整されているのが特徴的だ。加えて、スーツより軽い仕立てのものが多いため、休日使いもしやすい。好評の理由はこの汎用性にあるのだ。

パッドや芯地を極力省いたこちらの一着のように、軽快感を追求したものが今のセットアップの主流。ゆえにカジュアルダウンもしやすく、ビジカジや休日使いにも向いている。

for example… タイドアップもOK

カジュアル方向に振りつつも、しっかりスーツとして成立するバランス感がセットアップの真骨頂。タイドアップすれば難なくビジネスに対応してくれる。

for example… ジャケット単品でも

パンツと別売りゆえ当然だが、ジャケット単品で着ても違和感なし。コットンパンツやデニムなどと合わせノータイで着れば休日の装いを楽しめる。

for example… パンツ単品でも

もちろん、パンツだけを活用してもよし。別のジャケットに合わせてジャケパンスタイルを築くこともできるし、写真のようにカジュアルなニットを合わせるのもいい。

【Q】 試着のときチェックするポイントは?

【A】 ウキとシワに注意を

スーツのフィッティングは一見ジャストサイズのように見えても、細部に問題があるケースがしばしばある。その代表例が、下に挙げた3つのNG。襟首が浮いている(右上)、うなじの下のシワ(左上)、脇の下のダブつき(左下)などは、スーツ姿の美観を損なうため要注意だ。

【Q】 ダブルブレストの4B/6Bの違いは?

【A】 4Bのほうが軽快感あり

ダブルスーツといえば6つボタンというのが長らく常識だったが、ここ数年は4つボタンのものも増えてきている。両者の違いは“軽快感”。重厚な6Bに対し、4Bはリラックスして軽やかに見える。ノータイでさらりと着こなすなら、4Bを選ぶのがおすすめだ。

【Q】 正しい袖丈は?

【A】 シャツが1.5cmほど出る長さ

着丈やパンツ丈の適正値は時代によって変わるが、袖丈の基本は不変。シャツのカフスが1~1.5cm程度のぞくバランスが適正だ。ただし、これはシャツの袖丈が合っていることが前提。写真のように、カフスの先が手の甲に少しだけかかるくらいがちょうどいい。

【Q】 適正な着丈は?

【A】 お尻がほぼ隠れる程度

スリムフィット全盛時代とは適正なバランスが変わっていることに注意。かつてはお尻が半分程度隠れる長さを基本としていたが、クラシック回帰が浸透した現在はお尻がほぼすべて隠れるくらいが◎。ただし、ジャージーのスーツなどカジュアル感が強いものはこれよりやや短めがよい。