NETFLIXも熟読 「ビジョナリー・カンパニー」の原点八重洲ブックセンター本店

入り口すぐのメインの平台に6列積み上げる(八重洲ブックセンター本店)
入り口すぐのメインの平台に6列積み上げる(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。緊急事態宣言が延長される中、来店客自体は戻らないどころか減り気味に推移しているが、配送の注文が増えるなど、ビジネス書需要はコロナ下でも底堅くあるようだ。そんな中、書店員が注目するのは名物経営書『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの原点ともいえる一冊のアップデート版だった。

ビジョナリー・カンパニーの原点をアップデート

その本はジム・コリンズ、ビル・ラジアー『ビジョナリー・カンパニーZERO』(土方奈美訳、日経BP)。『ビジョナリー・カンパニー』といえば、経営やリーダーシップに関心を持つ多くの人が手に取った経営書だろう。IBMや3Mなど18社の実例から永続する企業の条件を探った一冊で、最初の本の日本語版が1990年代半ばに刊行され、何年かおきに続編が出て現在6冊を数えるまでの人気シリーズになった。

本書は7冊目になるが、その続編というには少し趣が異なる。『ビジョナリー・カンパニー』に先立ってコリンズ氏が最初に書いた『ビヨンド・アントレプレナーシップ』(未邦訳)という本があり、これをアップデートした本が2020年に刊行された。原著のタイトルは元の本の頭文字を取って『BE2.0』。その日本語版なのだ。

著者たちの関心の中心は、既存の事業を永続する偉大な企業に育てる方法だ。オリジナル版は「リーダーシップ・スタイル」に始まり、ビジョンとは何か、その重要性とビジョンを生み出し共有するプロセスを説いていく。ここまでが前半で、ネットフリックス共同創業者のリード・ヘイスティングス氏は「駆け出しの頃にオリジナル版を6回読んだ」と公言し、若手起業家向けにこの本の「最初の86ページを丸暗記せよ」と言ったという。序章で披露されるエピソードだ。

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