――今ではもう着なくなってしまったようなアイテムにはどんなものがありますか。

「たとえば“真緑”のコートとか。お店でどうですか、とすすめられたので、写真を撮って妻に送信してみました。妻はインテリアの仕事をしているので選び方がうまく、僕の服装によくアドバイスをくれるのですが、『(米アニメ映画の)シュレックみたい』と言われました(笑)」

「一番強烈だったのが真っ赤なパンツです。それまでの自分にはあり得ないアイテムでしたので、すごく心に残っています。バーニーズでは、自分では絶対選ばないけど、『いいから着てみましょう』とすすめてもらって、着てみたら良かったという気づきがよくありました。選んでもらったネクタイもそう。自分が知らない自分を発見する。バーニーズではそれをマジックミックスというのですが」

バーニーズのスタッフにすすめられて買ったネクタイ。左から5本目のグレーは、バーニーズをやめるときにスタッフが贈ってくれた。「1本1本に思い出がある、大切なネクタイばかりです」

バーニーズで知った ブランドの本質は共感

――新しい発見というようなことですか。

「そう、一見合わなそうでも一緒に着てみるとすごくよかった、そういう感動をお客様に与えましょうということです。6年半を過ごして僕自身がマジックミックスを体感しました。仕事でもチャレンジする気持ちが大切だと思っていますし、人々の共感こそがブランド価値の本質だということもバーニーズで学びました」

結婚10周年記念で夫婦でロレックスの時計を贈り合った。「文字盤の数字が僕らしい、と妻が選んでくれました」

――挑戦と共感はフェイラーのビジネスにも通じます。

「フェイラーは3世代に愛されるブランドを目指しています。エントリーモデルである『ラブラリー バイ フェイラー』というラインも展開し、こちらは20代後半から30代前半にアプローチしています。昨年からはSNSでファン同士の交流を活発にして、商品作りに参加してもらう試みも始めました。これからはデジタルネーティブであるZ世代も視野に入れながら、ブランドの可能性を探っていきます。フェイラーを100年続くブランドにしていくために、この先3年何をすべきなのか、どういう人を育てるべきなのかを考えています」

断トツの人気柄「ハイジ」はテントウムシやアヒルがあちこちに描かれたもの。フェイラージャパンではSNSでファンと交流しものづくりに生かしている。ベースカラーがピンクのハイジはファンの声から生まれた

――ところで、きょうお持ちの川部さんのマイフェイラーはどんな絵柄ですか。

「アミカルモンといって、いろいろな国の人の手がそれぞれの国のお花を持っているという最近のお気に入りの絵柄です。今の時代に合う、とてもメッセージがある絵柄だと思いませんか」

差し出された手から手へというメッセージ性のある柄「アミカルモン」が目下、川部さんのお気に入りだ

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

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