Men's Fashion

コレだ!「ラグビー体形生かす服」 フェイラー川部社長

リーダーが語る 仕事の装い

フェイラージャパン社長 川部将士氏(上)

2021.8.26

花柄からドラえもんまで多彩なデザインがそろうドイツのタオル地ハンカチ、フェイラー。日本発の大胆な商品政策でブランド刷新に取り組んできたのが、5年前、フェイラージャパン(東京・千代田)の社長に就任した川部将士さんだ。ラグビーで鍛えたがっしりした体格で、首回りは今なお45センチもある。かつては「真の美しさは肉体と精神に宿る」との信念から服装にはこだわらない性格だったが、既製服のサイズが合わないことには人知れず悩んでいたという。キャリアを積むうちに自身をよりよく見せる服選びの大切さに気づき、ようやく体形に合う服に出合った。(この記事の〈下〉は「バーニーズの赤パンで装いに覚醒 フェイラー川部社長」




――逆三角形のアスリート体形ですね。ラグビーはどのくらいやられていたのですか。

「中学1年から社会人4年目まで14年間やっていました。大学を出て(フェイラージャパンの親会社である)住友商事に入社してからは商社10社が集まる商社リーグに入りました。早慶のレギュラークラスが入ってくるので練習はかなりきつく、金曜の夜から土曜の朝6時くらいまでお酒を飲んで、3時間後の9時から練習が始まり、ずーっとグラウンドを走っている、そんな感じでした」

「アスリートにおしゃれは不要」と思っていた

――ラグビーの経験が服装や身だしなみに反映したところはありますか。

「学生ラグビーでは大概、紺ブレにグレーのパンツ、大学ごとにつくるレジメンタルタイを締めるのがきちんとした格好です。20代で一張羅を着る必要があるときは、その大学のタイをして出かけていきました。それが自己主張のように感じていましたし、それ以外のスタイルを知りませんでしたから」

――アスリートがおしゃれにうつつを抜かすなんて……といった意識もありましたか。

「ありましたよ。学生時代から『真の美しさは肉体に宿るもの。着飾るのは逆にカッコ悪いこと』と考えていました。人は体形が良くないことを隠すために着飾るんじゃないか、なんて思っているフシがありました。これもラグビーをやっていたせいかもしれません」

なで肩体形に合うジャケットは「芯地やパッドが入っていない柔らかいもの」。ラグビーで鍛えた体は「今でも首回りは45センチあるんです」

――1995年に商社マンとしてキャリアをスタート。当時の商社マンはスーツスタイルが制服のようでしたか。

「はい、スーツを着て行くのが当たり前でした。ネイビーのスーツに白シャツ、ネクタイというのが一般的で、職場には服装に気を使う先輩も多かったです。そんな上司からは『僕のスーツは○○、川部ちゃんは何を着ているの?』なんて服装のことをよくいじられましたね。僕はおしゃれに関心がなかったので『AOKI』と『ユニクロ』があれば生きていける、という考えでした。胸回りに筋肉がついているので、スーツを着てもパン!と胸元が張って、割と見栄えがしましたからね。手ごろな価格のスーツでも『いいスーツ着てるなあ』なんて言われて、これでいい、と思っていました。実際にはサイズが合わないものを無理やり着て、苦労していたんですけど」