大雨や台風の災害に備える まず確認したい地図情報は
安心&安全 地図サービス活用法(下)
地球温暖化による気候変動は、これまでになかった災害を引き起こしている。自分の命を守るためにも、ネット上に公開されている有益な情報をフル活用し、いざというときの迅速な行動に生かしたい。
土砂災害の危険を地図で確認
天気と災害情報に強いのは、Yahoo!だ。「Yahoo!地図」に加えて、「Yahoo!天気・災害」などで重要な情報を網羅している。
Yahoo!地図で確認しておきたいのは、雨雲レーダーだ。地図に雨雲レーダーを表示させると、降水量が表示される(図1)。
Yahoo!天気・災害の「河川水位」では、洪水の危険がある河川には紫などの色が付く。地図上のカメラマークをクリックすると、国土交通省のカメラが捉えた静止画が表示される。上流の状況を確認して、避難するかを判断する一助にしたい(図2)。
「土砂災害マップ」を開くと、その時点の土砂災害の危険度によって地図が色分けされる(図3)。また、「避難場所マップ」を開き、災害の種類を選ぶと、その災害が起きたときに利用できる避難場所が表示される(図4)。
気象庁のサイトで差し迫った危険を確認
気象庁のウェブサイト「キキクル」にも、土砂災害、浸水害、洪水災害などの情報が集約されている。浸水や洪水の危険度はここで確認するのが簡単だ(図5)。
気象庁はウェブサイト「今後の雨(降水短時間予報)」も公開している。近年、激しい雨が長時間続く「線状降水帯」による災害が増えているが、その発生は予測しにくいとされている。このサイトでは、線状降水帯が発生したとき、災害発生の危険が高まっている地域をいち早く地図上に示す(図6)。
スマホで地図のダウンロードも
災害の危険が迫る前に、自分の住んでいる場所がどんな危険に陥りやすいかを知っておくことは重要だ。
国土交通省のウェブサイト「ハザードマップ」は、「土砂災害」「洪水」「高潮」「津波」などの危険度を地図上に示すことができる(図7)。
LIXILグループで地盤調査を手がけるジャパンホームシールド(東京・墨田)が運営する「地盤サポートマップ」では、それぞれの土地の地盤の強さを地図上に示せる(図8)。
いざ災害が起きると、通信障害が生じることがある。ネットにつながらなくても、オフラインでGoogleマップが利用できるように、地図をスマホにダウンロードしておくと安心だ(図9)。ネットが不通になったり通信速度が極端に遅くなったりしたとき、ダウンロード済みのデータが表示される(ただし、ルート検索などは利用できない)。
(ライター 岡野幸治)
[日経PC21 2021年10月号掲載記事を再構成]
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