アプリで何が…? スマホの機能、親こそ学ぶ

「スマートフォン(スマホ)は難しい」と、仕組みを深く知ろうとしない親が増えている。従来型携帯電話と違い、スマホは小型のパソコン。アプリでいろんなことができるのに、その機能を知らずに与えれば、子どもがトラブルに遭うのは当たり前ではないだろうか。学校や子ども任せにせず、「親こそ学ぶ」。保護者には今、そんな心構えが必要だ。

スマートフォンなどに関わる体験談を話し合った保護者座談会(6月、愛知県刈谷市立雁が音中学校で)

愛知県刈谷市。トヨタ自動車の関連会社が集まる企業城下町にある市立雁が音中学校で6月中旬、「ふれあいトークタイム」があった。年に一度、時宜に応じたテーマの講演会と保護者会をセットにした行事で、今年度は初めてスマホを主題に取り上げた。

家族で話したい

授業参観の後、体育館で刈谷警察署の担当者が保護者向けに講演。無料通話アプリ「LINE」の基本機能の説明から始まり、ID検索機能で子どもが見知らぬ大人と出会えてしまう危険性などについて解説した。その後、保護者が子どものスマホにかかわる悩みを話し合う。

「架空請求の画面が出て、娘が泣きながら相談しに来た」「LINEを夜中すぎまでいじっていたので2カ月間取り上げた」。2年生の保護者の座談会では、体験談がいろいろ出てきた。

出席した上田克己さん(43)はLINEをやったことがない。「こんな注意が必要なアプリだと初めて知った。家に帰ったら家族で対話したい」と勉強になった様子だった。

雁が音中がスマホに焦点をあてたのは、この春、市のPTA連絡協議会などが、「夜9時以降は子どもから預かる」といったスマホ利用のルールを決めたからだ。狙いは、「親に子どものスマホを管理してもらう気持ちを持ってもらうこと」(雁が音中の大橋普支俊校長)。そこで「鉄は熱いうちに打て」とばかり、ルール設定に続いて保護者会で取り上げ、関心を高めようと考えた。しかし……。

全校生徒約800人のうち、授業参観に出た保護者は500人ほどいたが、警察の講演会出席者は150人で、保護者会となるとわずか60人に減った。歩留まりの悪さに「出席しない親こそ問題」と大橋校長は頭を抱えた。このため来年は、新1年生の保護者全員が集まる入学前の説明会での講演開催を考えるという。

スマホの時代になり、親の関心が薄まっている。茨城県メディア教育指導員の堤千賀子さんによると、同県内で求められて保護者向けにネットリテラシー講演をした回数は、2009年度がピークで340回。そこから減り続け、昨年度は200回だった。出席率もピーク時は生徒数の5割はいたのが「今は3割いれば多い方」だ。

その理由を堤さんは「子どもの方が詳しくてついていけない、という親と、うちの子は大丈夫、という裏付けのない自信を持つ親が増えた」と分析する。スマホの進化に古い頭が追いつかないし、知識のある子どもなら安全に使える、とでも思っているのか。