吉野家の「缶飯牛丼」(160グラム、6缶で4860円)

SNSで話題の吉野家「缶飯牛丼」

19年5月に発売されるや、SNSなどで話題を呼んだのが吉野家(東京・中央)の「缶飯牛丼」だ。牛肉、タマネギの具だけでなくご飯(玄米)まで入っているので、まさに牛丼そのもの。常温でも食べられるが、温めると牛脂が溶けてさらに美味しくなる。牛肉もご飯もかなり柔らかく、店舗で食べるものとは食感が異なるが、脂身のとろける甘み、赤身肉の歯触りが楽しめる。

吉野家は、以前から牛丼を缶詰化し、非常食として販売しようと検討。「金のいぶき」という高機能玄米と出合ったことで開発にメドがついた。この玄米は、白米に比べて食物繊維が約7.8倍あり、便秘になりがちな避難生活にもうってつけの一品といっていい。

トーヨーフーズの「玄米ごはん プレーン」(175グラム、324円)

これまで紹介したご飯缶詰は、どれも具が入って味付けされているが、トーヨーフーズ(東京・千代田)の「玄米ごはん プレーン」は違う。炊いた玄米を、そのまま詰めてあるだけなのだ。純粋にご飯だけを食べたい場合、塩分の摂りすぎを防ぐためにも、こんなプレーンなご飯が必要だろう。

常温でも食べられる柔らかさだが、べちゃっとしているわけではない。米粒にしっかりした弾力があり、胚芽の部分は特有のプチプチした歯触りもある。原料は国産コシヒカリの玄米で、白米に比べて食物繊維は4倍、ビタミンB1は 1.8倍で、ミネラル類も豊富。栄養が偏りがちな避難生活では、ありがたい存在になるはずだ。

ちなみに、ご飯缶詰の多くが玄米を使うのは、常温でも食べやすいことが理由。白米だと一度炊いても常温になると固くなってしまう。サンヨー堂の弁当缶詰が湯せんして食べる仕様なのは、それが理由だ。

今回紹介した5種類のご飯缶詰は、非常食としてはもちろん、普段の生活でも便利に使えるものばかり。最近はリモートワークがメインになり、一日中机に向かっているような日も増えている。気がつくと、炊事の時間が取れなくなっていることもあるだろう。そんな時でもご飯缶詰はきっと役立つはずであります。ぜひお試しあれ。

(缶詰博士 黒川勇人)

黒川勇人
1966年福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチ。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。