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今年トレンドの豊潤濃厚つけ麺 都内の実力派新顔2店

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NIKKEI STYLE

2021年も下半期に突入し、ラーメン界のトレンドが徐々に明らかになってきた。今年オープンした新店の顔ぶれを見ると、オーソドックスなしょう油ラーメンを今風にブラッシュアップさせた「ネオ・クラシック系」か、動物系素材(豚、鶏、牛等)の分厚いうま味と重厚なコクを前面に打ち出した「豊潤系濃厚ラーメン」を提供する店舗が目立つような気がする。

「ネオ・クラシック系」については、これまで何度か紹介してきたので、今回は「豊潤系」を取り上げたい。このタイプは、動物系素材のみから出汁(ダシ)を採ったものと、魚介素材を合わせてスープに用いているものとに大別される。今年はいずれも堅調で、中でも「濃厚つけ麺」のジャンルで優良店が複数誕生している状況は、特筆すべき事だと思う。

そこで今回は、濃厚つけ麺の新店で、際立つ2店を紹介する。東京・新橋の『麺屋周郷(めんやすごう)』と、『中華蕎麦ひら井』(東京都府中市)だ。皆様には是非、濃厚つけ麺の魅力を体感してもらいたい。

◎麺屋周郷(東京・新橋)

~小岩の人気店が都心・新橋に降臨!細部にまでこだわり抜いた「つけ麺」は必食!~

2010年代以降、着実に店舗数を増やし、今や都内屈指のラーメン激戦区となっている新橋エリア。その地に今年6月、産声を上げたのが『麺屋周郷』だ。

より正確に申し上げれば、京成小岩駅(東京・江戸川)近くにあった人気店『麺屋寿』が、1年余りの空白期間を経て、新たに場所を移して完全リニューアルした店である。

『麺屋周郷』の主、周郷寿克氏は7年間に及ぶ間に『寿』を一躍人気店の地位に押し上げた立役者だが、海外への出店話が浮上したことで20年4月、いったん店を閉めた。ところが、その後、新型コロナウイルス感染症の影響で、海外出店話が立ち消えとなる不運に見舞われた。そこで心機一転、『寿』で提供していたものをゼロベースで見直した「つけ麺」を新たに開発。約1年2カ月の雌伏の時を経て、『麺屋周郷』として新橋の地で再スタートした不撓不屈の人だ。

『周郷』が現在(今年8月時点)、提供するのはつけ麺のみ。多岐にわたるメニューを作り分けていた『寿』時代とは打って変わり、メニューを1本化した狙いについて、店主はこう話す。「『寿』でも、丁寧に創っていたつもりですが、全てに全力を注ぎ込めていたかと問われれば、自信がありません。『周郷』では一切妥協せず、現時点での自分の全力を注ぎ込もうと決意しました」

「つけ麺」は、3種類のチャーシュー(豚ロース・豚バラ・鶏むね肉)とメンマが別皿に美しく盛り付けられている。和情趣豊かなビジュアルが、視覚に強く訴求する。素材のうま味を極限にまで凝縮したことが見た目にも明らかなスープ、適量の水分を蓄え艶やかに輝く麺など、箸を付ける前から「間違いない」ことが分かる1杯に仕上がっている。

スープは、店主が厳選した豚・鶏・魚介素材(5種類)のうま味を過不足なく凝縮した絶品。素材を圧力寸胴で一気に炊き上げ、別採りした鶏油、魚介の香りを、絶妙なバランス感覚で重ね合わせ、カエシの上質な風味に、等身大の素材の風味をオンした会心の出来栄えといっていい。一度口にしたら最後、レンゲを持つ手が止まらない。

トッピングにも光るこだわり

スープと合わせる麺は、名門『菅野製麺所』(東京・大田)と共同開発した、福岡県産小麦100%の太ストレート。箸で摘まみ上げた瞬間から小麦の芳香が茫洋と立ち上る。自己主張しながらも、スープの持ち味はしっかりと引き立て「このスープにして、この麺あり」の傑作といえる。

トッピングにも、こだわりが光る。例えば、3種類のチャーシュー。いずれも用いる香草を変え、全く異なる味わいを演出。豚ロースと豚バラは提供前に炙りを加え、うま味を極大化。単品の「つまみ」として提供されても、十分楽しめるほどの逸品だ。

「より良いものとなるよう吟味を重ね、改善すべき点があれば、ためらうことなく改善していきたい」。オープンから日が浅いにもかかわらず、ラーメンと向き合う店主の真摯な姿勢に惹かれ、同店には訪問客が絶えない。遠からぬうちに新橋の代表店のひとつに躍り出ることはおそらく間違いない。

◎中華蕎麦ひら井(北府中)

~本年最大級の大型新店!濃厚シーンを復権へと導く「つけ蕎麦」は規格外の完成度~

次にご紹介するのは今年5月、東京都府中市に誕生した『中華蕎麦ひら井』。

最寄り駅であるJR武蔵野線北府中駅から徒歩15分ほど(約1.2km)の場所にある。少しばかり距離があるように思われるが、実際に足を運んだ人で、それに苦言を呈する人は私の周りにはいない。なぜなら同店が紡ぎ出す1杯が、道中の苦労を帳消しにして余りあるクオリティを保持しているからに他ならない。

同店の店主、上野竜一氏は大学時代からG系(ガッツリ系)ラーメンの実力店などで働いた経験がある。その後、香川県内の小型製麺機のトップメーカー『大和製作所』の社員を経て、元いた店へと戻り、作り手として腕を磨き続けてきた逸材だ。

そんな経歴の持ち主が今般、満を持して開業した。ラーメン好きが黙って見ているはずもなく、オープン当初から、雨が降ろうが風が吹こうが行列が途切れない人気を誇っている。

「うまみの大三角形」を構築

店舗入口付近には、「チャーシューつけ蕎麦」「つけ蕎麦」「チャーシュー中華蕎麦」「中華蕎麦」の名が刻まれた4つのボタンを備えた券売機が鎮座。中でも「つけ蕎麦」は、麺で魅せる1杯を志す上野店主が、看板メニューとして強く推す一品だ。同店への訪問が初めてなら、「つけ蕎麦」を注文するのが定石だろう。

オーダーから提供までの時間は10分程度。スープは、豚(豚ゲンコツ・豚頭)、鶏(鶏ガラ・モミジ)、牛(牛骨)の3種の動物系素材のみを使う。素材ごとに熟成方法や炊き込み時間を調整し、味に変化を付けやすい魚介を用いることなく、重層感あるうま味を引き出すのに成功している。

定番の「豚」と「鶏」だけでなく、「牛」も素材に組み込むことで、揺るぎない「うま味の大三角形」を構築。そこに豊潤極まりないカエシが手を貸すのだから、まさに鬼に金棒である。

スープと合わせる自家製極太麺の風格も規格外。誰が口にしても甘美な味わいが感じ取れるよう、製麺過程で大量の生卵をミックス。麺先に純白の塩を付けて啜り上げれば、濃密な芳香がふわりと拡散。そのクオリティの高さたるや、塩だけで食べ尽くせてしまえるほどだ。スープと麺の相性も完璧で、まさに濃厚つけ麺の鑑とでも言うべき1杯となっている。

チャーシューの完成度が極めて高い点も、特筆に値する。2時間かけて炭火でこんがりと焼いた後、100分かけて醤油ダレでじっくりと煮込む高度なギミックを駆使。香ばしさと柔らかさを見事に両立させたチャーシューは、もはや超一流の肉料理と考えて差し支えない。ラーメン好きの間でも、これは大きな話題となっている。

「これからもお客様に感動を与えられるよう、研さんしてまいります」と、兜の緒を締める店主。志の高さから提供する1杯の味に至るまで非の打ち所がなく、名店へと成長を遂げる可能性が濃厚な同店。今年最大級の新店の一つになるのは間違いないだろう。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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