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みなさんは、覚えていらっしゃいますか? コロナ禍が始まったばかりの2020年3月16日、ニューヨーク株式市場でダウ平均が大暴落したことを。下落幅12.9%は、1987年10月19日の「ブラックマンデー」に次ぐ史上2番目の記録で、大きなニュースになりました。

その後、株価は見事に回復しました。1年半近くたった今、日米とも株価は高値圏にあるといわれていますが、バブルを懸念する声もあります。もしも、これから先、株価が再び暴落する可能性があるとしたら、どんな備えができるのでしょうか。そこにもうけのチャンスはあるのでしょうか。

歴史にヒントを探すとすれば、1929年10月24日の「暗黒の木曜日」を画期とする「世界大恐慌」が思い浮かびます。マネーの歴史をわかりやすくデータでたどった新刊『大恐慌の勝者たち』(日経BP)から、示唆となるポイントを探してみましょう。

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ポイント1:下落相場には「フェイク」がある

世界大恐慌の歴史で、多くの人が誤解しているのが「暗黒の木曜日」における株価の動きです。この日の午前、大量の売り注文が出されて、市場はパニックに陥りました。けれど、午後にはモルガン商会をはじめとする銀行家たちが共同歩調をとって株を買い支えました。その結果、ダウ平均の終値は前日比6ドル安の299.47ドル。下落率は2.09%という「終値小幅安」で、取引を終えています。「暗黒の木曜日」は、暗黒ではなかったのです。

しかし、銀行家たちが演出した小康状態は「フェイク」でした。その翌週、本当の「暗黒」がやってきました。28日の月曜日のダウ平均は12.8%下落、翌日の火曜日も11.7%の大幅な下落となり、後に「悲劇の火曜日」「アメリカが終わった日」などと呼ばれることになります。

その後、米国の株式市場は長期低迷に陥り、ダウ平均が1929年につけたピークを超えたのは、54年11月のこと。株価回復に、実に25年かかりました。米国にも「失われた25年」があったのです。しかし、その間にも株価が一時的に上がる局面は多くあり(例えば、下図の30年の動き)、「ここが底値」と期待して買い戻した投資家が大損するといったケースは後を絶ちませんでした。

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