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おでかけナビ

2014/8/30

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なぜ690円で提供できるのか

メニューはエビ、イカ、鶏肉、ナス、野菜かき揚げの5種類を味わえる「まきの定食」のほか、「野菜天定食」「穴子一本天定食」「ご馳走天定食」など6種類。

客の5~6割が注文するまきの定食は、揚げたての天ぷらにご飯と味噌汁がついて690円とリーズナブル。天ぷら専門店なら1000円以上はする内容だ。自慢のかき揚げは丸くふっくらしていてサクサクでボリューム満点。とり天ぷらもしっかり味が付いていて白いご飯によく合う。おいしい天ぷらをお腹いっぱい食べてほしいという思いから、ご飯と味噌汁はおかわり自由だ。

エビ、イカ、鶏肉、ナス、野菜かき揚げの5種類を味わえる「まきの定食」690円。ご飯と味噌汁はおかわり自由。食べられないものがあれば、他の野菜の天ぷらへの変更も可能

リーズナブルな価格の秘密は、社内での一括仕入れにある。同店では使用する食材を丸亀製麺と共有することでコストを低減。ただ、天ぷらは食材の鮮度と味が生命線となるため、原価率は高めだ。丸亀製麺の天ぷらとは大きさや下味を変えるなど、ご飯に合うようにひと手間かける。「利益重視でコストを抑えるよりも、五感で楽しんでもらうなどいかに集客力を高めるかに注力している」(尾関氏)。

一番驚いたのは、接客。カウンター割烹のように常に客と対面するスタイルのため、調理担当者は客の食事の進み具合にも気を配らなければならない。茶わんのご飯や味噌汁がなくなれば「おかわりはいかがですか」と笑顔で声をかけ、客に呼ばれる前に温かいお茶を注ぎにいく。おかわりを口に出しにくい女性でも遠慮なくおかわりでき、満腹感と同時に満足感が得られるのも、同店の魅力といえるだろう。

野菜天定食(690円)、海老天定食(790円)、とり天定食(690円)、穴子1本天定食(890円)、ご馳走天定食(950円)。常連客を飽きさせないよう新メニューも今後登場するとか
天ぷら用の野菜は丸亀製麺との共同仕入れにより原価を抑える工夫も。新鮮な野菜をきれいに並べてみせるのも演出のひとつ

「福岡の天ぷら定食文化」を丸亀製麺の次の柱に

うどん業態で成功した同社が、天ぷら定食専門店を始めたきっかけは福岡・博多にあった。博多には昔から天ぷら定食の専門店が多く、地元の食文化として根付いている。客の目の前で揚げた熱々の天ぷらとご飯、味噌汁を650~700円と手ごろな価格で提供する専門店は幅広い客層から支持されている。イカの塩辛などテーブルに用意された取り放題の総菜も特徴だ。

なかでも有名なのが「天ぷらひらお」。創業35年で県内に6店舗を展開。福岡空港に近い本店は地元客のみならず、出張族にも人気が高い。昼どきにはカウンター54席が常に満席状態で待合にも30~50人が並ぶ。

そのひらおのスタイルに感動した当時の担当者が新業態として立ち上げたのが、天ぷら専門店「まきの」だったというわけだ。その後、8年前に西神戸店、2013年5月に芦屋のラポルテ店を開業。試行錯誤を重ね、2013年10月22日に開業したセンタープラザ店で、現在の運営スタイルを確立した。天神橋四丁目店は2014年1月15日にオープン。現在、兵庫県内と大阪市内に4店舗を展開する。

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客の評判は上々だが、今後の大きな課題も