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おでかけナビ

2014/8/30

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目の前で天ぷらを揚げ、一品ずつ提供

まきの天神橋四丁目店は天神橋筋商店街に面しており、店構えは一般的な飲食店の印象だ。店内に入るとオープンキッチンと長いカウンター席(20席)があり、テーブル席はわずか4席。客は目の前のキッチンで調理された天ぷらをカウンター席で食べるスタイルになっている。しかも店内は上質感のある落ち着いた内装で、従業員数も思いのほか多い。一見すると、高級なカウンター割烹(かっぽう)や天ぷら専門店の雰囲気さえ漂う。

割烹や寿司店のようなカウンタースタイルの店内。オープンキッチンで野菜のカットから天ぷらを揚げるところまで、全て見せることで臨場感を演出する

オープンキッチンには高級感のある天ぷら鍋をほうふつとさせる大きなフライヤーが2つ、カウンターごとに置かれている。スタッフが目の前で食材を衣液にくぐらせて鍋に入れ、一つひとつ丁寧に揚げていくさまはベテランの天ぷら職人のようだ。

4つのかき揚げを一度に揚げられる専用揚げ器は丸亀製麺で独自に開発したもの。着席して料理が提供されるまで、従業員のスピーディーな動きや天ぷらをカラッと揚げる様子を見ているだけでも飽きなかった。

実はこうした演出も同店のウリの一つ。天ぷら専門店の臨場感を演出し、目の前で視覚的にアピールすることで、客は料理の価格以上の満足度を得られるというわけだ。

高級感のある大きな天ぷらフライヤーで次々と揚げていく。かき揚げリングは丸亀製麺でも使われているオリジナルで、丸くふっくらと揚がる
揚げたての天ぷらを一品ずつ提供する都度揚げ方式。各席のタイミングを見計らいながら順番に揚げ、出来たてを客のトレイにのせていく

「この考えは丸亀製麺と同じ。店頭に製麺機と釜をしつらえ、製麺所の風情を表現している。製麺機で麺を打ち、かまどで麺をゆで上げる様子を音や香りを含めて五感で楽しんでもらうのが狙い」と、同社マーケティング部広報・PR課の深堀俊輔課長は話す。

外食産業ではチェーン展開を図る場合、食材を事前に調理して店舗に納入するセントラルキッチン方式で効率化するのが一般的。料理の質を均一化でき、店舗スタッフの作業も軽減できるからだ。ところが、同社はセントラルキッチンを持たない主義。従来の外食産業のセオリーとは一線を画し、個店の良さを取り入れた戦略で差別化を図っている。うどんは店舗で打ち、焼き鳥も客の目の前で1本ずつ串打ちをするという。

さらにまきのの強みは、注文を受けてから天ぷらを一品ずつ揚げ、連続して揚げたてを提供する「都度揚げ方式」を取っている点。天ぷら鍋一つあたり最大10人の顧客に対応。各席のタイミングを見計らいながら順番に天ぷらを揚げ、できたてを客のトレイに載せていく。

「そうすることで臨場感とともにおいしさを提供できる」と営業本部まきの業態推進課の尾関友朗チーフマネージャー。カウンタースタイルにしたのも、天ぷら担当スタッフの手で直接提供できるからだ。ご飯も6台の炊飯器で時間を置いて炊き、常に炊きたてを提供できるよう工夫している。

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