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2021/8/30
広い店内を運ぶための岡持ちはうるし塗りの特注品

店内が広いため、調理場からテーブルに運ぶまでの間にウナギが冷めないよう、岡持ちに入れて運ぶが、これもまたうるし塗りの特注品だ。

さっそく、島村さんが選んだウナギの蒲焼きを食べてみよう。最初に、ウナギ蒲焼き入りの熱々の茶わん蒸しが運ばれてくる。これは「そろそろウナギが焼きあがる」という合図。

「お重箱」の「特上」

ウナギの「お重箱」は、茶わん蒸し、吸い物、香の物、甘味付き。「竹」(3630円)からあり、「特上」でも6050円と、意外にカジュアルな価格で食べられることに驚く。

ウナギは産地から生きたまま入荷するが、それを島村さんが毎朝、1匹1匹自分の手でつかんで、気に入ったものを店に出している。ほれぼれするほどたっぷりした身の厚みは、「さすが」のひと言。均一な美しいあめ色の焼き目からは、職人の技術の確かさもうかがえる。

素材の上質さと職人の技を引き出すたれのバランスも絶妙だ。ご飯の量はかなり多めだが、吸い込まれるようにおなかに入っていく。

「私はウナギ屋というのは、基本的には『飯屋』だと考えています。だから『もう食べられない』というほど満腹になって帰ってほしい」(島村さん)

タイミングがあえば、天然ウナギを食べることもできる(店に要確認)。

天然物が食べられる時季は以前は5月~12月ごろまでと限られていたが、最近は地球温暖化により、場所によって多少の漁があるという。

「しま村」では徳島県の旧吉野川で捕れる天然ウナギを主に仕入れているが、こうした希少な天然ウナギのお重箱も、なんと7150円から食べることができるというから驚きだ。

「養殖ウナギは、栄養豊富な飼料で育てられるので、基本的には『脂ののり』を楽しむもの。それに対して天然ウナギは生まれてから7~8年間も川の小エビや藻(も)を食べて育つので、育った川の『香り』を楽しむものなんです」(島村さん)

ウナギ料理だけでなく一品料理も、クオリティーが高い。「『しま村』は京都と縁が深いため、肝吸いをはじめその他の一品料理も味付けはすべてさっぱり上品な京風です」(島村さん)

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