美術館のようなウナギ店で天然も養殖も 横浜・港北

2021/8/30
人気メニュー「お重箱」。茶わん蒸し、肝吸い、香の物、甘味が付く
人気メニュー「お重箱」。茶わん蒸し、肝吸い、香の物、甘味が付く

今や「幻」とも呼ばれるほど希少な存在となっている国産天然ウナギ。ただでさえ入手困難な国産天然ウナギの中から、さらに選び抜いた極上品をリーズナブルな価格で味わえるという驚きの店が、「うなぎ料理 しま村」だ。

横浜市営地下鉄グリーンラインの「高田駅」から歩いてすぐのところにある「うなぎ料理しま村 高田本店」(以下「しま村」)。飲食店の常識を超えたスケールの面積とスタイリッシュな外観から、オープン前には近所で「美術館が建つらしい」との噂も広まったとか……。

1階にはテーブル席の個室が5室、2階には畳敷きのテーブル席の「嵯峨野」のほか、広さの異なる和室が合計6室ある。

1階と2階合わせて全82席だが、とにかく館内が広い。どの席も窓に接していて庭が見えるので、光があふれる雰囲気の中で食事ができる。こぢんまりとした古民家風、というウナギ店のイメージをくつがえされ、目を白黒させてしまう人も多そうだ。

スタイリッシュな外観の店は1、2階合わせて全82席

「実はそれが狙いなんですよ」とほほ笑むのは、オーナーの島村享男さん。島村さんはウナギの卸問屋「島淡水魚」も経営しており、長年にわたりウナギの仲買をしてきた超ベテラン。

日本全国のウナギ産地を訪ね歩くかたわら、蒲(かば)焼専門店「しま村」も経営し、百貨店などで販売。だが卸の仕事を通じてさまざまな高級割烹に触れるうちに「これまでのウナギ店のイメージを変えたい」「高級割烹に匹敵するようなクオリティーのウナギ店を作りたい」と考えるようになり、2006年に初の路面店「うなぎ料理 しま村 高田店」をオープンした。

目の肥えた島村さんが惜しげもなくそろえただけあって、食器や什器(じゅうき)も特級品ばかり。箸ひとつとっても、一本の木からくりぬいて作る超高級品で、その価値がわかる人は食べ終わった後にそっと持ち帰るほど。