キャンプで活躍 ホットサンドメーカー人気4製品対決
合羽橋の台所番長が調理道具を徹底比較
東京・合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。今回は、おうち時間の増加とともに注目されている、手軽に使えるホットサンドメーカーを比較検証する(価格はすべて税込み)。
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こんにちは、飯田結太です。おうち時間の増加でパンを作る人、パンを使った料理にこだわる人などが増えているようです。そんな中で話題になっているのが、手軽にアツアツのホットサンドが作れる「ホットサンドメーカー」です。ここ2年ほどで種類が豊富になり、キャンプで使えるものが多いこともあって、ホットサンドメーカー競争は激しくなっています。
今回は、ファンが多い正統派から、キャンプでも活躍する進化系、そして、話題の家電商品を比較しました。
ホットサンドメーカーは、食パンに具材を挟んだサンドイッチのパンのミミの周囲をプレスしながら熱を加えることで、アツアツのサンドイッチに仕上げる調理道具。チーズを加えるとトロリととろけて、とってもおいしい、ぜいたくなサンドイッチになります。
私もホットサンドが大好きで自宅でよく作りますが、具材を入れすぎてはみ出してしまい、こんがり焼き上げるはずが焦がしてしまうなど、何度も失敗しています。
今回は、各商品の特長をお伝えしながら実際にホットサンドを作っていきます。おいしいホットサンド作りの参考にしていただければうれしいです。まずは、今回検証する4製品のホットサンドメーカーをご紹介します。
今回は、ロングセラーのキング・オブ・ホットサンドメーカーから、キャンパーにお薦めの進化系、そしておしゃれ家電まで、現在のホットサンドブームをけん引する話題の4商品を検証します。
ロングセラーヒット、ファンも多いキング
使いやすくてこんがり仕上がるとロングセラーのヒットとなっているのが、「Baw Loo(バウルー)」です。10年以上使っている人や、母親が使っていたものを受け継いでいるという人も多く、ホットサンドメーカー=バウルーと思っている人もいるほど安定した人気を誇ります。バウルーで調理をする人を「バウラー」と呼ぶこともあるんですよ。
「Baw Looサンドイッチトースター・ダブル」はアルミニウムダイカスト素材なので熱伝導が良く、短時間で仕上がるので水分が飛びにくいのが特長。外側にはしっかりと焼き色がつき、中はふっくらと仕上がります。キャンプに持っていく人も多いですね。
具材を多く入れられないのが少し残念ですが、中心もプレスできる「ダブル」タイプなので、半分ずつ具材を変えることができるのも人気の理由のひとつかもしれません。
プロが絶賛!ボリューム「萌え断」がかなう
ホットサンドメーカーに新風を巻き起こしたのが、「家事問屋 ホットパン」です。これは、とにかく厚みがあります。重量も相当なもの。なぜそうなったのかというと、まず、具材がたっぷり入ります。それまで一般的だった、パンのミミ部分と中心をプレスするダブルタイプとは違い、パンのミミが当たる部分に深い溝があり、そこでしっかりプレスすることでミミがつぶれることなくカリッと焼き上がるのが特長。プロのシェフも絶賛するほどこんがりおいしく焼き上がり、ボリュームたっぷりのホットサンドができます。まさにサンドイッチの断面に心を奪われる「萌え断」ができます。厚みがあるフラットなデザインなのでガス火だけではなく、IHでも使用できるようになりました。
取り外して2つのグリルパンとして使えるのも大きな特長。熱伝導の良いアルミニウムダイカスト製なので、肉や野菜もおいしく焼き上がります。周りの溝に水を入れれば簡単な蒸し料理もできるなど、1つで何役にもなるんです。だから、キャンパーにも好評です。
1枚で気軽に作れる、ソロキャンパーにおすすめ進化系
ホットサンドメーカーといえば、食パン2枚で作るものというのが今までの常識でした。それを覆したのが「焼き目がサクサクホットサンドメーカーライト」。食パン1枚を中心から折ってプレスするので、少しだけホットサンドを食べたいというときにぴったりです。1枚を折って作るので、具材は少しだけですが、1人でつまみたいとき、お酒のお供にちょっとだけ食べたいときにはお薦めです。
タイマー式で焦げない、おしゃれ家電
ガス火でもIHでもなく、電熱で作るホットサンドメーカーもここ数年たくさん登場しています。その中でも人気が高いのが「BRUNO(ブルーノ) ホットサンドメーカーシングル」。おしゃれ家電ブランドとして知られるBRUNOの製品です。家電のメリットは、じか火ではないから安全に使えること、タイマー式だから焦がす心配がないこと。片面を焼いてひっくり返す手間がかからないこと。さらに、これはプレートを取り外して洗えるので衛生面でも安心です。電熱線がしっかり巻かれているので熱ムラが少ないのも人気の理由の1つです。かゆいところに手が届く工夫がいろいろあるのがいいですね。
家族で過ごす時間が増える中で、子供と一緒に料理を楽しみたいと思っている人も多いと思いますが、これならパンと具材をセットして閉じてタイマーをオンにするだけなので、子供に任せても大丈夫ですね。
では、この4商品で実際にホットサンドを作って検証します。
焼き目、食感の違いにびっくり!
今回は、8枚切り食パンに、レタス、ハム、チーズ、卵焼き(市販のもの)を挟んで焼いていきます。挟む部分の厚みに合わせてレタスの枚数を増やしていきます。ガス火で中火設定、こんがり焼き目がつくまでの時間と食感、断面のボリューム感を比べていきます。
◆Baw Looサンドイッチトースター・ダブル
中心もプレスされるダブルタイプのバウルーの出来上がりは、外側ガリガリさっくり、中は少ししっとり。ミミの部分はカリカリでおいしいですが、全体的に水分は飛び気味でした。断面は、中心が少しカーブのあるデザインなので、具材は予想以上に入り、パンもつぶれずふっくらのままでした。
こんがりまでの時間:片面1分30秒ずつ
食感:外側ガリガリ 中しっとり ミミがカリカリ
ボリューム感:中
断面の厚さ:約3.5センチメートル
◆家事問屋ホットパン
バウルーよりレタスを倍増してもまだ余裕がありました。閉じる際は、少し手でつぶしてからボリュームダウンして閉じるのがコツのようです。プレートに厚みがあるので焼く時間は少し長め。他のホットサンドメーカーと比べて重量があるのでひっくり返すのが少し大変でしたが、焼き上がりは予想以上にきれいで、断面も完璧でした。厚さがあるぶん、空気を程よく含んだまま焼き上がるので、卵焼きがジューシーでふんわりしていたことに驚きました。
こんがりまでの時間:片面2分ずつ
食感:外側カリカリ 中ふんわりしっとり ミミがふんわり
ボリューム感:高
断面の厚さ:約4センチメートル
◆焼き目がサクサクホットサンドメーカーライト
食パン1枚を置いて、下半分の部分に具材をのせるのがコツ。予想通り具材は少なめにしないと閉まりませんでした。閉じるときは、食パンを折りたたむように手で押さえながら慎重に行う必要がありました。仕上がりは三角形になっていておしゃれ。こんがり具合も良いですね。卵焼きが見事につぶれてしまったのは残念。食感は厚さがないぶん、ガリガリ感が強めですが、おいしい。
こんがりまでの時間:片面1分ずつ 強めが好きな人は1分30秒がおすすめ
食感:外側ガリガリ 中少ししっとり ミミはガリガリ
ボリューム感:低
断面の厚さ:約2.5センチメートル
◆BRUNOホットサンドメーカーシングル
じか火で使うものと違って電熱式のため、余熱が2分必要でした。具材を入れて閉めたらタイマーをセットすればOKなのは簡単でいいですね。タイマー音「チン」がどこか懐かしいアナログ風なのが気に入りました。ただし、具材を入れすぎてしまったのか、隙間からチーズが出てきてしまったのが残念。仕上がりは、かわいいワッフル模様で控えめな焼き目。食感は、パンがしっかりプレスされているためか、フワフワというよりも薄めのクレープのよう。厚みが出しづらいようですね。しかし、従来のホットサンドとは違う食感は新鮮で、お菓子感覚で楽しめるのが良いと思いました。
こんがりまでの時間:余熱2分+3分
食感:外側控えめなカリ 中しっとり ミミしっとり
ボリューム感:低
断面の厚さ:約2.5センチメートル
具材を挟んで閉じやすいものは、Baw Looサンドイッチトースター・ダブルと家事問屋ホットパンでした。食パン1枚で作る、焼き目がサクサクホットサンドメーカーライトは慣れが必要ですね。私個人としては具材がたっぷり入るものが好きなのでホットパンが好みですが、4製品とも食感が違うので、カリカリが好きならば、バウルー、ホットパン。強めのガリガリが好みならば、焼き目がサクサクホットサンドメーカーライト、そして、クレープのようなしっとり食感が好みなら、電熱式のBRUNOホットサンドメーカーシングルが良いでしょう。(談)
(文 広瀬敬代、写真 菊池くらげ)
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