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東京・神田に新顔エスニック続々 本格料理で現地気分

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NIKKEI STYLE

夏に恋しくなるのがエスニックなアジア飯。新型コロナウイルス禍で海外旅行に行けない今、「せめて国内で海外に旅した気分を味わいたい!」というニーズもあり、ますます注目が集まっている。そんな中、聞いたこともないような新しいエスニック専門店が続々出現。インドやパキスタンで食べられるコメ料理「ビリヤニ」、フランス育ちのベトナム汁なし麺「ボブン」、そしてインドネシアの郷土スープ「ソト ベタウィ」。これらはコロナ禍以降にお目見えしており、すべて東京・神田かいわいに存在する。神田で今、何が起きているのか?

世界の三大炊き込みご飯「ビリヤニ」

まずはインスタグラムでは約11万5000件もの「#ビリヤニ」の投稿があるほど人気となっているビリヤニ。コリアンダーやターメリックなどさまざまなスパイスを使ったカレー風味のコメ料理のことで、世界の三大炊き込みご飯の1つともいわれている。8月25日、JR神田駅から徒歩5分のところに、ビリヤニ専門店「ビリヤニ大沢」がオープンした。

同店のオーナーシェフ大沢孝将さんは、「日本ビリヤニ協会」の元会長であり、スパイス業界ではかなりの有名人。2021年5月、大沢さんはクラウドファンディングでこの店を開業するためのプロジェクトを立ち上げ、開始後わずか30時間で目標金額の500万円を集めた。募集終了の6月30日には約1359万円にも上り、クラウドファンディング「CAMP FIRE」での飲食店開業の支援金額としては歴代1位の記録となって、オープン前から話題となっている。

同店のビリヤニのバリエーションは5種類あるが、1日に作るのは1種類のみで、通常は「骨付きマトンのビリヤニ」となる。10席だけのコの字カウンターで、炊きたてのビリヤニを同じ時間帯に一斉に食べてもらうという珍しいスタイルだ。それは炊きたてのビリヤニを食べてもらうことに大沢さんの強いこだわりがあるからだ。

「ビリヤニは一度に大量に作って、炊きたてを一気に食べるのが本来のスタイル。それが一番おいしい食べ方です。バスマティライスというインド産の香りの良いパラパラしたコメを使っています。お客さんに同じような時間にまとまって来てもらうためには、アクセスの良い立地である必要がありました」と、大沢さんは神田を選んだ理由を語る。

神田以外には、オシャレなカレー屋さんが多数ある下北沢や渋谷、恵比寿、「スパイス飲み」が定着している新宿、新大久保、高円寺、こだわりのカレー店が肩を並べる三軒茶屋なども検討したという。「今ビリヤニが流行っているから食べる、というふうに、ビリヤニを単発のポップカルチャーとして消費して欲しくなかった。あくまでも味だけで勝負したいと思ったので、あえてエスニック店の競合が激しい神田を選びました」と自信をのぞかせる大沢さん。

骨付きマトンのビリヤニの場合、平日ランチが予約なしのテークアウトのみで1500円(9月1日から開始)、休日ランチとディナーは完全予約制でレギュラーサイズが1800円、フルサイズが2500円、テークアウトが1737円。使用する肉の種類などにより値段は変わる。クラウドファンディングのリターン商品である冷凍マトンビリヤニ約2000食分を、これから半年以上かけて発送していくこともあり、当分の間、店で提供用のビリヤニを炊くのは1日2回だけ。休日ランチ・ディナーともに20人前炊きの2回転制で1日40人だけなので、公式Twitterに記載されている予約専用サイトからの予約が必要だ。クラウドファンディングでの話題性も相まって、同店は神田という激戦区でも十分に勝ち目が期待できそうだ。

ベトナム発祥、フランスで進化した米麺「ボブン」

今年6月にJR神田駅西口から徒歩4分の場所にオープンしたのが、フランス生まれのベトナム米麺「ボブン」を提供するヘルシーアジアンヌードル「感動ボブン」だ。「ボブン」は元をたどれば、ベトナムで「ブンボー」の名で親しまれている米麺。それがフランスに渡って進化し、現地にはボブン店が急増。今ではパリジャンに大人気の汁なし混ぜ麺となっている。

その魅力の1つは、ミントやパクチーをはじめとしたフレッシュ野菜を麺にたっぷりとのせているというヘルシーな点。同店の看板メニュー「感動ボブン」(990円)にもミント、パクチー、キュウリ、ニンジン、ダイコン、レタスがたっぷりのせてあるので、サラダ感覚で楽しめる。ほかに「ネム」と呼ばれるベトナム揚げ春巻きや、甘辛く味付けした牛肉もトッピング。さらに同店では、もちもちとした食感が楽しめる平打ち米麺を独自に使用しているのが特徴だ。

幅広の米麺にはスイートチリソース・ナンプラー・レモン汁などで作ったソースがかけてある。かき混ぜて味わってみると、まず温かい米麺のやさしい香りがアジアの屋台を連想させる。太麺のかみ応えはクセになり、甘酸っぱいソースのうま味と辛味に、ミントやパクチーのさわやかな風味がよく合い、止まらなくなるおいしさだ。ほどよい辛さだが、卓上のシラチャーソースでさらに辛味をプラスしたり、フライドガーリックを加えて香ばしく"味変"したりして楽しむのもおすすめ。トッピングのネムは驚くほどサクサクとした食感で、これもおいしい。

同店を展開するダイナック(東京・港)販売推進部の江崎有紀子さんは、「すぐ近くにサラリーマンをターゲットにした『酒場ダルマ』という店も展開しているので、『感動ボブン』は20代~30代の女性をメインターゲットとしました。神田はガード下や西口商店街などに居酒屋やラーメン店が多く、"サラリーマンの街"というイメージを抱かれるかもしれませんが、神田高架下には『マーチエキュート万世橋』もあり、昨今では若者にも注目されるような店が増えてきています」と説明する。

肉好きにお薦めしたいのは「チャーシュー煮玉子ボブン」(1290円)。同じ幅広の太麺の上に、とろりと軟らかいチャーシューが5切れものってボリューム満点だ。さらにフォー好きにもお薦めなのが、「鶏肉のフォー 平打ち麺」(990円)。こちらにも幅広の太麺を使い、鶏肉やモヤシをたっぷりのせてある。和風にアレンジしたオリジナルのめんたいこボブンなどもラインアップ。若者や麺好きなサラリーマンなどに好評だ。

メニューはすべてテークアウトや宅配デリバリーにも対応している。また店内では完全キャッシュレス決済で、非接触での会計が可能。店内はベトナムの屋台風で異国情緒を満喫できるのも一興だ。

インドネシア料理「ソト ベタウィ」はニンニクなしで仕事もOK

神田には鉄道各線の駅が集積している。都営新宿線の神田小川町駅、東京メトロ千代田線の新御茶ノ水駅、同丸ノ内線の淡路町駅、同銀座線の神田駅、そしてJRの神田駅。いずれの駅からも徒歩圏内にあるのが、20年2月にオープンした「ソト ベタウィ 宮本」だ。店名にもなっている看板メニューの「ソト ベタウィ」とは、ジャカルタ発祥のインドネシア料理「牛肉のココナッツ煮スープ」のこと。現地の屋台から高級店までで食される定番料理だという。

「ソト」はスープの意味、「ベタウィ」はジャカルタの土地名。いくつもの島々からなるインドネシアには地域ごとに異なる「ソト」が多く存在するが、「ソト+土地名」の名称で、その土地のスープであることを表しているのだという。ナシゴレンやミーゴレン、サテなら知っていたが、インドネシアにはまだまだ日本人が知らない料理があるようだ。

さっそく同店で人気ナンバーワンの「ソト ベタウィ スペシャル」(1200円)を注文してみた。牛肉のスパイスグリルとライスも付いてボリューム満点だが、この組み合わせが本場流なのだという。「ソト ベタウィ」単品だと850円で、スープとご飯がセットになった「ソト ベタウィ定食」は950円である。

まずスープを一口味わう。意外に辛くなく、じっくりと煮込んだ牛骨スープにココナツクリームや塩を加えたまろやかな味わいだ。ターメリックやコリアンダーなどのスパイスも数種類使っているようで、エスニックな風味も楽しめる。日本のシチューにも似た癒やしのメニューで、どこか懐かしい感じもする。

ソトベタウィは牛肉・牛モツ・ハチノス(牛の胃袋)を刻んだもののほかに、ジャガイモ・フレッシュのトマトなども入って具だくさん。上に "ウンピン"というせんべいのようなものがのせてあり、甘めのスープを吸わせて味わうと美味。フライドオニオンの香ばしさもたまらない。

スープだけでもおいしいが、ご飯を加えて味わったり、辛味の効いた牛肉のスパイスグリルと交互に味わったりすると、とてもいいバランスで最後まで食べ飽きない。ニンニクが効いていないので、オフィス街で口臭が気になるビジネスパーソンも安心だ。エスニック料理が苦手な人でも楽しめそうな食べやすさだ。

店長のドゥマイス美子さんは、「平日のお客様は9割が近隣のオフィス街で働く日本人ビジネスパーソンです。初めてのお客様は『どんな味なのか想像できない』と興味津々で来店されます。週末になると遠方からわざわざ家族連れでやってくるインドネシア人も多く、外国人が8割を占めます」と説明する。

同店はハラル認証店ではないが、イスラム教徒が食すハラル認証の食材を使っているので、"ムスリムフレンドリー"の店としても重宝されているようだ。最近は女性客のソロ飯利用も増えてきたという。

もともと「ソト ベタウィ」を通して、インドネシアの食文化を日本に伝えたかったというオーナーの宮本敬太さんは、浅草などの観光地でなく、あえて日本人の多いオフィス街・神田を選んだ。「神保町と言えばカレーの街で知られていますが、その隣の神田かいわいも有名なカレー店が多く、スパイス好きも多いです。日本在住のインドネシア人、約6万人がターゲットなのはもちろんですが、『ソト ベタウィ』が日本人の日常食になるように浸透させたい。コロナ禍で店に来られないお客様向けに、冷凍品も考案中です」と宮本さんは意気込む。

「ビリヤニもボブンも、ソトベタウィも知らなかった!」という人も少なくないのではないだろうか。以前は現地に行かないと食べられなかったディープなエスニック料理が、ビリヤニとボブンなら東京都千代田区内神田で、ソトベタウィなら千代田区神田錦町で堪能できるようになった。今度、神田かいわいを訪問するときには、ぜひこれらエスニック店の新顔をチェックしてみよう。

(フードライター 古滝直実)

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