Windows 10の日本語入力 カスタマイズで素早く快適に
Windows 10 使いこなしてスキルアップ(6)
「Windows 10(ウィンドウズ10)」を使いこなしてスキルアップする技を紹介する連載。最終回となる第6回は、日本語入力をカスタマイズで素早く快適にする技を紹介しよう。
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ウィンドウズ10には、日本語入力機能として「Microsoft IME」(以下、MS-IME)が標準搭載されているが、2020年春の機能更新「メイ2020アップデート」で大幅にバージョンアップされた。
それまでのバージョンでは、アプリの切り替え時に画面中央に目障りな入力モードを表示していたが、新バージョンでは廃止。さらにIMEのオン/オフに関連するキーカスタマイズを簡単にできるようにした。
今回はこれらの変更点に加え、日本語入力にまつわる各種の機能、文字入力に欠かせない「コピペ(コピー・アンド・ペースト)」を便利にする機能を解説する。
2つのイライラが「無効」に
以前のMS-IMEでは、アプリのウインドウ切り替え時、画面中央に大きく「A」や「あ」とMS-IMEの入力モードが表示され、煩わしかった。また、キーの誤操作で「ローマ字入力」と「かな入力」を切り替える確認メッセージが表示されて作業が中断されることがあった。これらはいずれも、現在のMS-IMEでは表示されなくなっている(図1)。
画面中央の入力モード表示は廃止され、ローマ字入力とかな入力の切り替えは、標準で画面右下の「あ/A」ボタン(入力インジケーター)で表示するメニューだけで行う方式になった(図2)。キー操作で切り替えたければ、設定画面で変更できる(図3、図4)。なお、すべての設定はウィンドウズ10の設定画面で行うようになっている。
簡単になった2つのカスタマイズ
また、現在のMS-IMEでは、ツールバーの表示や(図5)、スペースキーの両隣にある「無変換」と「変換」に「IME-オフ」、「IME-オン」などを割り当てるカスタマイズが簡単にできる(図6)。
このように、現在のMS-IMEは全体的に見て使い勝手が向上しているが、互換性維持のため以前のバージョンに戻すことも可能だ(図7)。
効率的な文字入力を助ける各種の機能
MS-IMEでの文字入力は、「予測入力」が基本となっている。読みの先頭の文字を入れるだけで、言葉を予測してくれるのだ(図8)。入れた文字をそのまま変換することもできる。ちなみに、「きょう」や「あした」「らいげつ」などの読みで、実際の日付や月などが変換候補として表示される(図9)。
予測変換がなじまなければ、設定画面で機能をオフにして、標準の変換のみにできる(図10)。予測変換時に、ユーザーの過去の入力履歴と、標準のシステム辞書を使うかどうかや、サーバーに読みを送って最新単語を変換する「クラウド辞書」の使用も可能だ。
過去の間違った変換内容が記憶され、以後、予測候補に表示されることもある。気になるなら、その場で削除できる(図11)。
一方で、変換しても出てこない単語はユーザー辞書に登録すれば変換できるようになる。「めーる」と打ってメールアドレスを入れるといった小技もある(図12、図13)。
なお、共用パソコンで個人情報を入力する際などには、一時的に変換内容の保存を止める「プライベートモード」を使うとよいだろう(図14)。
読みのわからない文字を入れる
読みがわからない文字は、「IMEパッド」や(図15~図17)、タッチキーボードの手書き機能などで入力してみよう(図18、図19)。
また、アプリが対応していれば、「Windows」+「.」(ピリオド)キーを押して絵文字を入力することもできる(図20)。
さらに、複数のコピー内容を保持して、メニューから選んで貼り付け可能な「クリップボードの履歴」機能を活用すれば、より効率的な文字入力ができるだろう(図21、図22)。
(ライター 斎藤幾郎)
[日経PC21 2021年10月号掲載記事を再構成]
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