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パナソニックが新型e-BIKE ケイリン先導車の知見凝縮

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日経クロストレンド

パナソニックサイクルテック(大阪府柏原市)は、スポーツタイプの電動アシスト自転車(以下、e-BIKE)「XU1」の新型を2021年8月5日に発売した。希望小売価格は25万1000円(税込み)で、年間販売目標数は400台。販売は国内のみを想定している。海外メーカーのe-BIKEが日本市場に投入される中、国内メーカーとして商品ラインアップを強化し、e-BIKE市場を拡大していく考えだ。

走行安定性の高い設計を新型XU1に

新型XU1には、東京2020オリンピックの自転車種目の1つ「KEIRIN(ケイリン)」のペースメーカーである先導車の開発で得た知見が生かされているという。このケイリン先導車のベースとなったのが、18年に発売されたクロスバイクタイプのe-BIKE、XU1だ。

ケイリンは日本生まれの競輪が国際種目となり、00年のシドニー大会からオリンピックの正式競技となった。最大7人の選手が、1500メートル(トラック6周)の着順を競う。その際、3周目までは風よけの役目も果たすペーサー(誘導員)が先頭を走る。

ぺーサーはスタートして間もなく時速30キロメートルにスピードを上げ、徐々にペースを上げて時速50キロメートルにしてから、ゴール前約750メートル(トラック3周)を残して走路を離れる。ペーサー、つまり先導車がいる段階から、選手たちはポジション争いを繰り広げるため、その役割は重要だ。

公道を走行できる電動アシスト自転車の場合、電動アシストは時速24キロメートルまでに制限されている。かつ実際には時速10キロメートルくらいからアシスト力が徐々に弱まり、時速24キロメートル近くなるとほぼアシストしない設計で、モーターの出力もこれに合わせてある。

しかしそれではペースメーカーとして必要な、最高時速50キロメートルという高速走行が安定しない。そこで最高時速50キロメートルを発揮する高出力モーター、バッテリーの開発に着手。モーターの速度、バッテリーの電力量はともに市販車の約1.4倍になった。

その他、選手が追従しやすい滑らかで安定した加速を可能にするアシスト制御や、あらゆる速度域でラインを正確にトレースし、直進安定性を確保するフレームを開発。1年半以上をかけて検証を重ね、完成させたという。

土台が同じとはいえ、使用目的が大きく異なるため、先導車の技術が新型XU1に直接的に採用されているわけではない。同社開発担当者は「ケイリン先導車の開発の過程で、非常に走行安定性がよく、初心者でも安心して乗車できる設計が完成した。この知見を製品版のXU1に生かそうということになった」と説明する。

具体的には、フレームやフロントフォーク(前輪を挟み込み支える部分)のジオメトリー(寸法構成)などを見直し、従来車種より40ミリメートル低重心化した。これにより、走行時のハンドル操作に安定感が出たという。

「バンク(選手がレースを行うコンクリートやアスファルトで舗装された競争路)を走行するケイリン先導車と、街中を走行するXU1では求められるハンドリング特性が異なる。ケイリン先導車ではより直進安定性の高い味付けをしたが、市販の新型XU1は街中でも軽快にハンドリングができるような味付けをした」(同社開発担当者)

本格e-BIKE寄りの街乗りモデル

新型XU1は、基本的には従来車種を受け継いでいる。同社e-BIKEの最上級モデルである本格オフロード走行向け「XM-D2 V」(70万1800円)、本格マウンテンe-BIKE「XM2」(42万6800円)と同様に、前後輪とも油圧式ディスクブレーキや、ダウンチューブと一体化したスポーツバイクらしいセミインテグレーテッドバッテリーを採用した同社らしいモデルだ。

変速機方式はXM-D2 V、XM2が内装2段・外装11段の22段シフトなのに対し、XU1は外装9段シフトでこれは従来車種同様。タイヤのサイズは700×50Cで、マット塗装を施したアルミリヤキャリア(荷台)とアルミフェンダー(泥よけ)を標準装備しており、e-BIKE初心者にとっても扱いやすい、街乗りを意識したモデルである点も変わりはない。

とはいえスポーティーなスタイルの街乗りモデル「ジェッター」(16万8000円)と比べると、スペック的にはかなり上級モデル寄りだ。そのため、通勤や通学といった日常使いだけでなく、週末のロングライドなどアクティビティーにも使いたいという人に向いている。

リチウムイオンバッテリーの容量は36.0ボルト-8.0アンペア時(Ah)(XM-D2 V、XM2は36.0ボルト-12.0Ah)で充電時間は約3時間。走行距離はアシストが最も強いパワーモード(HIGH)時で約44キロメートル、オートマチックモード(AUTO)時で約57キロメートル、ロングモード(ECO)時で約82キロメートルが目安となる。

欧米のクロスバイクタイプが比較対象

e-BIKEは、電動アシスト自転車市場のシェア拡大においても期待の大きいカテゴリーと考えられる。

オリンピックのケイリン先導車の開発によって得られた、高速で走るために大パワーを安定して発揮する制御技術などは新型XU1に採用されていない。だが「将来的にはより大パワーを発揮するユニットで生かしたい」(同社担当者)とのことで、走行の楽しみをアップさせるようなモデルの誕生にも期待が持てそうだ。

同社では電動アシスト自転車を「子どもの送り迎え(子育て)」「買い物」「通勤通学」「街乗り・ファッション」「スポーツ・e-BIKE」の5つに分類している。売れ筋は「買い物」に適した「ビビ」シリーズで、日本では初となる、原動機の駆動により押し歩きを補助する「押し歩き機能」を搭載した「ビビ・L・押し歩き」を21年7月6日に発売した。同モデルの本年度(21年7月~22年3月末)の目標販売台数は1500台で、それに対して今回の新型XU1の目標は年間400台。この点からも、e-BIKEが発展途上のカテゴリーであることがうかがえる。

e-BIKEの市場拡大に関しては、「初めて買う人でも挑戦しやすい価格帯のモデルの投入」が1つの課題と考えられるだけに、30万円を超えるモデルが多い海外ブランドに比べると、XU1は手ごろな印象を受ける。

「比較としては、欧米のクロスバイクタイプを対象としている。今後は通勤時などの街乗りとして活用してもらうことはもちろん、週末のサイクリングなど、スポーツとしての楽しみ方がしっかりとできるモデルを多くの人に体験してもらいたいと思い、この価格帯にした」(同社担当者)

同社のスポーツタイプの電動アシスト自転車の出荷台数は、5年間で約7倍に伸びているというだけに、市場そのものが拡大していく可能性も十分考えられる。

(フリーライター 山田真弓、画像提供 パナソニックサイクルテック)

[日経クロストレンド 2021年8月17日の記事を再構成]

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