20~30代で増える異業種転職 コツはエージェント活用
30代以下では異業種への転職が珍しくない(写真はイメージ) =PIXTA
転職人材の求人が緩やかに回復しつつあるようだ。この機を捉えて、異業種への転職に動く人も増えてきた。そうした状況を踏まえて、転職サイト「日経転職版」は特別セミナー「20代・30代限定 キャリアアップをどう実現させていく?」を開催した。転職エージェントのアクシス(東京・渋谷)の末永雄大社長に、20代、30代がキャリアアップをどう実現していけばいいのかについて聞いた。
――若い世代を中心に異業種への転職が広がっているそうですが、20代、30代の転職マーケットの現状について教えてもらえますか。
1月以降、活発化している印象です。昨年の4~5月の緊急事態宣言のときには、20代向けの求人が一斉にストップするなど、一時的に若い世代の求人が厳しい状況になりましたが、そこから緩やかに回復してきて、今は新型コロナウイルス禍前のような大量募集の求人も増えてきています。
――異業種への転職も活発化しているのですか。
もともと20代の転職は異業種への転職が一番多かったのですが、活発化しています。コロナの影響で「自分のいる業界は大丈夫なのか」と考える人が増えたことや、テレワークなど、国も推奨しているような取り組みに柔軟に対応できない会社に対して、「もっと柔軟性のある働き方をしたい」というニーズが増えたことなどが背景にあると思います。
――転職の際、「転職エージェント」を利用する人が多いと思いますが、転職エージェントを利用するメリットは何ですか。
転職エージェントを使う一番のメリットは、「求人を紹介してくれる」ということはもちろんですが、本人に合う求人・企業選びをしっかりとサポートしてくれるところだと思います。内定をとることも大事ですが、最終的には入社後に定着・活躍できるようなキャリア形成ができなければ意味がありません。
転職エージェントの担当者は、たくさんの転職者の転職事例を見てきています。どんなステップを踏むことで次はどんなキャリアにつなげていけるかというパターンを把握しています。長期的なキャリアを踏まえた上で逆算した求人を提案してくれることもあります。それから、業界特化型のエージェントは特にそうですが、その業界における有益な情報や、業界内の人しか知り得ないような裏事情などを教えてもらえることもメリットといえるでしょう。