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緑茶でがん・脳卒中リスク減も 1日数杯こまめに飲む

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日経Gooday(グッデイ)

ほっと息をつきたいときや食後に飲むと口も気分もさっぱりする緑茶。緑茶は抗酸化力の強いカテキンを豊富に含み、その健康効果に関する研究が世界で進行している。飲料全般の健康効果に詳しいネスレ日本ウエルネスコミュニケーション室室長の福島洋一さんに、緑茶のなかでも注目したい「抗菌・抗ウイルス効果」「認知機能」「メタボ改善効果」について最新研究を中心に聞いた。

緑茶はがんや心血管疾患リスクを下げる

年齢を重ねても若々しく健康でいるために、日常的にとる飲み物や食べ物にもしっかりと意識を向けたいもの。「食品の機能性を探る世界の研究では、緑茶に注目が集まっています」と話すのは、コーヒーや緑茶の健康効果の研究や啓発活動に取り組むネスレ日本の福島さんだ。

「ここ数年、緑茶に関する疫学調査[注1]が大幅に増えています。複数の研究を統合し分析した2021年のメタアナリシス[注2]によると、緑茶摂取は子宮内膜がん、肺がん、卵巣がんなど一部のがんのリスクや、心血管疾患による死亡、脳卒中のリスクなど、非常に幅広い病気のリスク低下と関連していることが確認されています」(下グラフ)。

[注1]集団を対象とし、病気の頻度や分布に影響する因子を統計学的に研究するもの。

[注2]国立がん研究センター「がん情報サービス」の用語集では、「ある程度似ている研究の複数の結果を統合し、ある要因が特定の疾患と関係するかを解析する統計手法」としている。

緑茶はいくつかのがん、心血管疾患、脳卒中リスクを下げる可能性

年齢を重ねるとともにかかるリスクが増えるがんや、突然死の原因にもなる心血管疾患(心筋梗塞や狭心症)や脳卒中のリスクを緑茶が下げてくれるかもしれないというのは心強い。いったい緑茶の何が効果を発揮するのだろう。

 「主たる有効成分は、緑茶のカテキン類と考えています。茶カテキンは、緑茶に多く含まれます。同じ"チャノキ"の茶葉が原料で、発酵させた紅茶やウーロン茶と異なり、緑茶では茶葉を蒸すことによって発酵を止め、生茶葉の香りと鮮やかな緑を保持させています。この緑茶に特徴的に多く含まれるポリフェノールが、茶カテキン。強い抗酸化力を発揮します」(福島さん)

ポリフェノールは植物が紫外線や傷などを受けたときに生じる活性酸素から身を守るために作り出す物質。私たち人間の体内でも日々、呼吸やストレス、紫外線などによって活性酸素が生じるが、この活性酸素によるサビから身を守り病気のリスクを下げるのにポリフェノールが有効とされている。ポリフェノールはコーヒーや赤ワイン、ココア、緑茶にも豊富に含まれる(下グラフ)。「私たちの研究では、日本人のポリフェノール摂取源で最も多いのはコーヒー、次いで緑茶だということがわかっています」(福島さん)

主な飲料に含まれるポリフェノール量

お茶のカテキン、歯周病抑制や抗ウイルス作用も?

抗酸化力に加え、茶カテキンで注目されているのが「抗菌・抗ウイルス効果」だ。

「これは緑茶だからこそ発揮されるカテキン類の特徴的な働きです。茶カテキンにはたんぱく質と結合する力が強いという特徴があります。茶カテキンが豊富な緑茶を飲むと、渋い! と感じますね。この渋みは、口の中で茶カテキンがたんぱく質と結合するときに生まれていると考えられています」(福島さん)

この茶カテキンが、感染症の原因となる細菌やウイルスの表面にあるたんぱく質と結合することによって、細菌やウイルスの力を弱める可能性があるというのだ。

茶カテキンの抗菌力は、歯周病菌による感染症である歯周病を抑制する可能性が注目されている。歯周病は、歯と歯ぐきの隙間から進入した歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こし、歯を支える骨を溶かしてしまう病気。

49~59歳の日本人男性940人を対象に、緑茶の摂取量と歯科検診による歯周病症状の関係を調べた結果、緑茶を多く飲んでいる人ほど歯周ポケットが浅く、歯肉の喪失や検査時の出血量が少なかったという[注3]

抗菌に加えて、抗ウイルス効果も見いだされている。

「緑茶に含まれるカテキン類とうまみ成分であるテアニンを5カ月間摂取し続けると、インフルエンザウイルス感染率が少なくなるという報告もあります(下グラフ)」(福島さん)

ちなみに先ほどのグラフで見ると、緑茶100mLあたりに含まれる茶カテキンは115mg。この研究での茶カテキン量は1日3~4杯に相当する。

[注3]J Periodontol. 2009 Mar;80(3):372-7.

緑茶成分をとるとインフルエンザ感染リスクが抑えられた

「茶カテキンの抗菌・消臭作用は衣類や部屋のにおい消し商品にも応用されています」と福島さん。飲むだけでなく、いろいろな用途に使われる緑茶。その効果をさらに見ていこう。

緑茶1日5杯以上の摂取は認知症リスクを下げる可能性

「もう一つ、認知機能に関しても緑茶の研究が始まり、コーヒーとの違いも含め面白い結果が出始めています。その効果はコーヒーよりも強いのでは、と見られています」と福島さん。

複数の研究を集めて解析した最新のメタアナリシスでは、1日あたりの緑茶を含む茶飲料の摂取量が増えるほど、認知機能低下リスクが下がることがわかった。この研究[注4]では、アルコールとコーヒーの摂取と認知機能低下についても解析されたが、「摂取量の増加とリスクの低下が関連したのは、お茶のみでした」(福島さん)

このメタアナリシスでも採用されている日本人1万3000人に調査をした研究では、緑茶を1日5杯以上飲むと答えた人は1杯未満の人に比べて認知症発症リスクが4分の1ほど少なく、ウーロン茶や紅茶、コーヒーでは有意な関連が見られませんでした[注5]。また、緑茶を1日5杯以上飲む人は要介護状態になるリスクが33%低下するというデータもあります[注6]

[注4]Epidemiol Psychiatr Sci. 2021 Feb 11;30:e13.

[注5]Am J Geriatr Psychiatry. 2016 Oct;24(10):881-9.

[注6]Am J Clin Nutr. 2012 Mar;95(3):732-9.

LDLコレステロールを抑制する効果はナッツやトマト並み

さらに緑茶といえば、高濃度カテキンのトクホでもおなじみの「コレステロール吸収の抑制」や生活習慣病抑制効果も気になるところ。

「茶カテキンには、脂肪の分解や消費に関わる酵素の活性を高めて、体脂肪をエネルギーとして利用しやすくする働きがあります」(福島さん)

生活習慣病を予防する効果は世界でも注目されている。

生活習慣病の背景にあるのが動脈硬化。年齢を重ねるとともに進行する動脈硬化の要因となるのが、血液中のLDLコレステロールの高い値。LDLコレステロール値を下げる食品として、緑茶はトマトや豆類、アーモンドやクルミ、フラックスシード(亜麻仁)、水溶性食物繊維(大麦、オーツ麦など)と同等の効果であるとされている(下図)。「緑茶のカテキン類はLDLコレステロールの酸化も抑制します」(福島さん)という。

緑茶はLDLコレステロールを下げる有力な食品の一つ

このように幅広い効果を発揮する緑茶。飲み方にコツはあるのだろうか。

「毎日継続的に飲むことが、心血管疾患、認知症、歯周病やメタボの予防につながっていくと考えています。目安として1日3~5杯ほど飲むといいのではないでしょうか。茶カテキンは飲用後1~2時間すると血中でピークとなり、3~4時間後ぐらいから体外に排出されます。水分補給としてこまめに飲むことをお勧めします」と福島さん。

次回は抹茶の健康効果について聞いていく。抹茶は緑茶よりさらにプラスの栄養成分をとることができるので、そのあたりをデータを交えて解説してもらおう。

(ライター 柳本操、グラフ制作 増田真一)

[日経Gooday2021年8月18日付記事を再構成]

福島洋一さん
ネスレ日本ウエルネスコミュニケーション室 室長。東京農工大学農学部農芸化学科卒業、同大学大学院修了後、ネスレ日本入社。農学博士。ネスレ中央研究所(ローザンヌ)、ネスレリサーチ東京R&Dプロジェクトマネージャーを経て2010年より現職。主にコーヒーや抹茶の機能性研究に取り組む。人間総合科学大学非常勤講師。

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