最近、ももクロの曲を歌っていないな

──6月27日には横浜アリーナでソロコンサート「AYAKA NATION 2021」を開催。昨年は開催できなかった「AYAKA-NATION」ですが、今年は横浜アリーナで観客を入れての開催でした。テーマは「美術館」ですね。

佐々木 もちろん「美術館っていいよね」ということを伝えたいわけではなく(笑)、美術館を通して、女の子が成長していくさまを描きたかったんです。何か物事を見たり感じたりすることで、心の変化が絶対あると思うから、その描写ができたらなと思って。

川上 それに美術館はしゃべっちゃいけませんからね。

佐々木 そういう意味合いも持たせられるなって。今回のライブは声が出せない状況で、集中して五感を研ぎ澄ませるライブになるかなと考えたんです。横浜アリーナで、しかも1人で、歌だけで聴かせるライブが私にできるかとなったら、そりゃ無理だなって(笑)。そこで思いついたのが美術館。このテーマにすれば、幕あいの時間も着替えている時間も「みんな黙っていて」というのがやりやすいし(笑)。

──セットリストで印象的だったのは、AYAKA-NATIONの特徴でもあったカバー曲がないことでした。

佐々木 シンプルに、昨年、ソロアルバム(『A-rin Assort』)を出させていただいて、私の曲が増えたことはあります。自分の曲を歌わないで、人の歌を歌うのは違うかなって。「だったら自分の歌を歌えよ」と思われる方もいるかもしれないし。

それに配信になる可能性があったんです。そうなると、カバー曲は使用許可の種類が変わってくる。さらにバンド演奏になるか音源による演奏になるのかもわからなかった。そういうことを考えてまで、歌いたいカバー曲が思い浮かばなかったんです。そもそも、ももクロのライブがやれていないじゃないですか。最近、ももクロの曲を歌っていないなって。

──20曲中5曲がももクロ曲でした。

佐々木 本当のことを言うと、ももクロの曲を1人で歌うのは大変なんですよ。比べられちゃうし、物理的にできない曲もあるから、歌いたくない(笑)。それにカバー曲を使えば、他のアーティストの方の曲から「いいとこ取り」ができるじゃないですか。そりゃ絶対盛り上がるだろうという曲が使えるのは強いんです。

でも、ソロコンサートを続けていくうちに、あーりんのライブはテーマを設けるというのが定着してきて、ももクロ曲の受け取り方も変化してきた。曲の幅が広がってきたというか。だからカバー曲を歌わなくてもライブがまとまるかなと考えたんです。

──今回歌ったももクロ曲を選んだ理由を教えてください。

佐々木 『月色Chainon』は個人的に好きな曲だから(笑)。『サラバ、愛しき悲しみたちよ』は絶対盛り上がるだろうなと思って選びました。振り付けもそのまま生かして、ももクロの『サラバ』をあーりんがやるというコンセプトです。『SweetWanderer』と『境界のペンデュラム』は意外だったかな。特に『ペンデュラム』はすごい反響があって驚きました。振りも変えていつもと違う『ペンデュラム』にしたから印象に残ってくれたのかな。あの曲の私のイメージはヴィラン(悪役)。ちょっとセクシーな女のヴィラン。だから内藤るなちゃん(B.O.L.T)と鈴木萌花ちゃん(アメフラっシ)と、いつもと違うダンスに挑戦して。ネットの反応を見ると「ももクロの曲が聴けて良かった」と言ってくださっている方も多かったのでよかったなと思いました。

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