親から見えないLINE上のいじめ 証拠残らずネット依存 進む低年齢化

筑波大学の土井隆義教授は「大人はLINEで『既読』となっても相手が都合のよい時に返してくれればいいと思えるが、若者は常につながっていることが重要」と指摘。「ネット依存症」だという。

通常、依存症は快楽を感じるものだが「必ず受け答えをしなければならない苦痛や、相手が応えてくれないことへの不安が強くなる」と分析する。友人の数が自分の価値を測る指標になってしまっているともいう。ただ「本当の友ではなく、独りぼっちにならないようにいつも一緒にいる保険のような相手」。

こうした問題は中高生だけではない。「低年齢化が著しく、トラブルは小学4年でも起きている」と兵庫県立大学の竹内和雄准教授。母親のスマホを使ってLINEをする小学生も少なくない。ゲーム機などで無料の無線通信網を使ったり、携帯のショートメッセージ機能も使ったりといくらでも手段はある。

「高学年女子が携帯で仲間外れの相談をしているのをたまたま見つけた」と神戸市立西郷小学校の望月和恵校長。「昔と異なり、いじめが見えにくくなった」。しかし携帯やスマホを取り上げて確認するのは難しい。「ならば早いうちに使い方を考えさせたい」(望月校長)と、竹内准教授の研究室から大学生を呼び、出前講習を行っている。

損害賠償、退学

悪ふざけのつもりが大ごとになることもある。7月初旬、岐阜県の中津川市立坂本中学校は全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長を招き、ネット利用のマナー講座を開いた。安川氏は、ある学生が飲食店で調味料の容器の先を鼻に入れて撮った姿をツイッターに載せたところ、個人が特定されて店から損害賠償を求められ、学校も退学になった例を話した。

中学生たちは「名前が分かるの?」「場所も?」と顔を見合わせる。写真の位置情報や、写真以外に投稿した情報を統合すれば個人が特定されることもある。「ネットに載せれば全世界で見られるという認識がない」(同会)

同会にはいじめのほか、性犯罪や架空請求などの標的になった子どもや親からの相談も急増している。子ども同士のいじめ、大人が介在する犯罪。隣で静かにスマホを見ているあなたの子どもが今、直面しているかもしれません。

注目記事
今こそ始める学び特集