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藤野英人・レオス・キャピタルワークス会長兼社長

藤野英人・レオス・キャピタルワークス会長兼社長

投資信託「ひふみシリーズ」を運用するレオス・キャピタルワークス。同社の会長兼社長で最高投資責任者を務める藤野英人氏は愛知県立旭丘高校、早稲田大学法学部の出身だ。国内外の資産運用会社で辣腕ファンドマネジャーとして活躍し、2003年に同社を創業した。『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』『投資家みたいに生きろ』『ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ』などの著書があり、ユニークな投資論・人生論でも知られる藤野氏は、どんな環境で育ち、母校では何を体験したのか。

富山県生まれ。対照的な性格の両親のもとで育った。

両親は共働きでした。母はめちゃくちゃに明るい性格で、仕事が大好き。ワコールの販売店で数十年、毎日ブラジャーを売ることに全力投球で営業成績は常にトップクラスだったようです。そんなスーパーポジティブな母に対して、父はスーパーネガティブ。試験があれば「きっと落ちる」、昇進は「するはずがない」、少しでも体調が悪いと「大病に違いない。もう死ぬ」と考えるタイプです。父は食品メーカーで働いていましたが、営業のノルマを果たせずに最後はいつも自腹で商品を買ってくるので、我が家の冷蔵庫には常に父の会社の商品がパンパンに詰まっていました。

仕事ではパッとしない父でしたが子どもの教育には熱心で、僕が小学校4年生の頃、突然、古今東西の名作200冊を読めと言い出しました。「読破すればきっと頭が良くなるぞ」と母まで言いくるめて、「1冊読んだら必ず感想文を書いて見せない。そうしないと夕食は抜きだ」と宣言したのです。父は僕の感想文に毎回赤ペンを入れるほどの熱の入れようで、適当なことを書いていると「ちゃんと読んでいないだろう」と怒られるし、母も一旦方針を決めたら絶対守る人なので、読まないと本当にご飯を出してくれない。生き延びるために、僕は必死で読むしかありませんでした。

小学生ですから、最初はもちろん何が書かれているのかチンプンカンプンです。それを見越してか、父は2回転3回転せよと言いました。実際、最初はまったくわからなかった話も2回目、3回目になると徐々に理解できるようになり、読みも深くなってきます。トルストイの『戦争と平和』のように難解な長編小説でも、何度も読んでいると情景が頭の中で動画として浮かぶようになるのです。入り組んだストーリーの中で時折トルストイが顔を出し、とうとうと歴史とは何かと語り出したりするのですが、途中からはそういうシーンに出くわすと「おお、来たなトルストイ」とワクワクするようになりました。夏目漱石や芥川龍之介、森鴎外など日本の作家の作品は、父の命令通り全集を年代順に読んでいました。

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