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CDをスマホで聴く「ラクレコ」 誰でも使いこなせる訳

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音楽CDをスマートフォンに直接取り込めるバッファローの「ラクレコ」がSNS(交流サイト)で話題になっている。同製品のマーケティングを担当する根本将幸さんは、デジカメやスマホなどの写真を保存・管理し、テレビで楽しめる「おもいでばこ」の開発にも携わってきた。この2つに通底する思想をライターでコラムニストの小口覺氏が聞いた。

◇   ◇   ◇

――2021年6月に発売された「ラクレコ」の反響がすごいですね。「昔買ったCDをスマホで聞けてうれしい」という声が多いようですが、スマホで音楽を聴く手段としてサブスクが全盛の時代に、この製品を出された理由を教えてください。

「昨年(20年)の春に企画が立ち上がり、市場調査を行いました。そこで、音楽CDをスマホに取り込むのが大変という声が多いのが分かったんです」

「理由は2つあって、1つは音楽CDをパソコンに取り込む作業が大変、もう1つはパソコンに取り込んだ楽曲データをどうすればスマホに移せるのか分からないということでした。それに自分でCDは持っているけどサブスクになっていないなど、まだCDでしか聴けない曲がある。娘が中学校の英語の学習用CDを持って来て、『パパ、これスマホに入れられないの?』と言われたこともあります。だからそういう需要があるんだなと。『ラクレコ』は当初の想定以上に売れていますが、女性ユーザーが比較的多いです」

――私の娘もジャニーズの某グループのファンで、サブスクでは聴けないのでCDを取り込んでくれと言ってくることがあります。アイドルのファンの中には、CDが欲しくて買ったけど、スマホへの移し方が分からないのでCDでは聴いていないという人もいるんでしょうね。

「『ラクレコ』の製品紹介ページには、実は男性のアイドルグループをイメージしたイラストを載せています(笑)」

――パソコンのない家庭もあるし、あっても最近は光学ドライブが付いていない機種が増えている。CDは買うけど、聴くときはYouTubeの公式チャンネルで聴いてたりします。

「でもCDは全盛期にはシングル・アルバム合わせて年間4億枚以上の市場があって、今でも年間1億枚の規模がある。各家庭にかなりの数のCDが存在しています。需要は大きいと考えています」

機能を数値ではなく言葉で伝える

――「ラクレコ」で取り込んだ曲は、ほかのアプリでも再生できるのですか?

「あえて専用アプリでしか再生できないようにしています。『ラクレコ』は、CDの取り込みから再生まで一つのアプリで完結しています。これは機能や使い方をシンプルにすることで、リテラシーの高くない人でも使いこなせるようにするためです。製品ページでも『何倍速取り込み』といったスペックは前面に出さず、CDを楽に取り込みたいという、お客様のニーズに寄り添うような作りを意識しました」

――自由度が高すぎると、かえって分かりにくくなることがありますね。開発のとき、リテラシーの高くない人でも使いこなせるような分かりやすさを、どう追求しているんですか?

「弊社でサポート対応をしている社員に、開発会議に参加してもらっています。『ラクレコ』では、サポート担当の助言により、『Wi-Fi帯域切替』スイッチを2.4GHz/5GHzのような数値ではなく、『屋外用』『屋内用』と言葉で表記しました」

「さらに、SSID(無線LANネットワークのグループを識別するためのID)は『Wi-Fiの名前』、暗号化キーは『パスワード』と表記しています。バッファローでは、ネットワーク製品をいかに簡単に使っていただくかに長年こだわってきました。そのノウハウを生かしています」

――カラーバリエーションは白と黒ですが、パッケージのデザインイメージがそれぞれ全く異なります。モデルの女性のテイストも違います。ここまで徹底しているのは周辺機器としてはかなり珍しい。

「単に箱の色が異なるだけでは面白くない。ちょっとした遊び心じゃないですけど、購入するお客様のライフスタイルのイメージをパッケージで表してみました。白は女性に買ってもらえるように、黒は男性でも手に取りやすいようにと」

――アイドルのCDに多い、ジャケ違いをほうふつとさせます。

「イメージ的には近いですね。ジャケ違いで2つ買う人はいないでしょうけれど(笑)」

「実は、付属するACアダプターの色も本体色が白なら白、黒なら黒と色を合わせてあります。製品を買って使うとき、本体が白なのにACアダプターが黒だと雰囲気が出なくてがっかりしてしまうかもしれない。そうしたくなかったんです」

「おもいでばこ」10年の歩み

――「おもいでばこ」についても教えてください。デジカメやスマホなどで撮影した写真や動画を取り込み、テレビで見られるようにするホームサーバーのような製品ですが、操作が簡単で分かりやすい。

「開発の経緯は『ラクレコ』と似ています。バッファロー(旧メルコ)の創業者である牧誠前会長が、『デジカメはどんどん進化しているのに、写真を見る手段は進化していない。パソコンは面倒臭い。簡単にデジカメの写真を見られる機器を作れないか』と投げかけたところから開発がスタートしました」

――初代製品の発売は2011年11月でした。当時の反応は?

「最初は少し盛り上がったのですが、売り上げ的には厳しかったです。パソコンに詳しいお客様だと『パソコンがあるからいらない』となりがちだし、詳しくないお客様にはよく分からない存在の製品だった」

「なかなか販売が伸びない中、3代目の製品から私が企画を担当するようになりました。そのとき、『おもいでばこ』を使っていた妻から、『写真が見られるのはいいけれど、iPod touchで写真の整理ができるようにならない?』と言われました。テレビ画面を見ながらリモコンで操作すればいいじゃないかと言うと、テレビで写真の整理なんかしてたら、子供がアンパンマンを見せろと言い出すから無理だと(笑)」

――それはそうなりますね。

「そこで13年発売のモデルから、スマホで写真を見る・整理する・ネットでシェアする機能を搭載しました。これで今のコンセプトである『写真の母艦』になりました。それまではテレビで見るだけの機器でしたから」

スマホの写真を子供に見せる

――その頃から、根本さんはブロガーや写真教室などにアプローチし、徐々に人気に火が付いた。そして15年発売の4代目「PD-1000」で、今のようなコンパクトな形状に。世代を重ねるごとに機能を高めていきます。

「5代目からは、コンセプトメッセージを『とっておきは、大切な人と。』としました。写真がたくさん保存できて便利というところから、その写真を大切な人と楽しみましょうと一歩踏み込んだメッセージにしたんです」

「なぜかというと、スマホが普及して写真を撮る機会は多くなったのに、それが親や親戚の間で共有されることはあっても、子供が見ていないケースが散見されたから。親がスマホで子供を撮影しても、当の子供がその写真を見ていないことが結構ある。それは子供に見せる手段がないからです」

――スマホを持っていない年齢の子供はそうなってしまいますね。かといって、大人としては自分のスマホを子供に使わせるのはちゅうちょしてしまう。

「昔は現像した写真をアルバムにまとめておくので子供でも見られました。しかし今、スマホで撮影した写真を印刷してアルバムにまとめる人は少ないでしょう。『おもいでばこ』ならテレビの画面で子供でも写真を好きなだけ見られます。親が撮影して選んだ写真を入れておくわけですから、スマホを子供に使わせることによるリスクもありません。『おもいでばこ』は、デジタルフォトアルバムを名乗っています。自分や家族で選んだ写真を入れることこそが肝なのです」

――「おもいでばこ」がオンリーワンな存在なのは、絶妙なバランスと立ち位置を確保しているからなのですね。ありがとうございました。

(聞き手 ライター・コラムニスト 小口覺、写真提供 バッファロー、写真 湯浅英夫)

[日経クロストレンド 2021年8月4日の記事を再構成]

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