マネー研究所

もうかる家計のつくり方

「自由でリッチ」甘くない 個人事業主の懐事情 家計再生コンサルタント 横山光昭

2014/7/30

Tさん(32)は雑誌などに原稿を書くフリーライターの男性。出版関係の会社勤務である程度の貯金ができたのを機に、3年半ほど前に独立しました。まだ独身で、自宅を拠点に好きなことを仕事にできているため、知人からは自由でお金にも困らないだろうと羨ましがられるそうです。しかし本人は「収入がすぐ支払いに消えてしまう」のが悩みで、私のところに相談に来ました。

入ってきたお金を目先の支払いや消費に充てたり、経費と生活費の線引きが曖昧だったりするのは個人事業主にとって好ましくない

収支状況を聞いてみると「確定申告の時期にしか意識したことがない」といいます。サラリーマン時代のように月に一回決まった日に安定した給料が入ってくるわけではなく、引き受けた仕事に応じた金額が不定期で支払われます。そこから個人としての生活費や仕事に必要な経費、税金や健康保険料、国民年金を払っていくわけです。

「きょう15万円振り込まれたから家賃を払ってしまおう」「3日後に入金があるから、飲みに行っても大丈夫だ」……。Tさんの生活はこんな日々の連続でした。個人事業主なので収入に波があるのは仕方ないのですが、手元に入ったお金をとりあえず目先の支払いに充てたり、気持ちが大きくなって消費してしまったりと、その日暮らしに近い家計管理なのがまず問題です。

また生活費と、仕事の経費の線引きが曖昧でした。自宅が事業所を兼ねているTさんは、家賃や水道光熱費、通信費の半分は確定申告時に経費として扱うよう税理士と決めています。これらは金額も分かりやすく、そのぶん生活費が少なく済むメリットもあります。しかし不定期な収入でその時々に必要な支払いを済ませているため、ひと月の生活費が何にいくらかかっているのかが把握できていなかったのです。

これでは「いつも支出に追われているし、収入だって周りが思うほど多いわけではないから、やりくりが大変」なのも無理はありません。仕事はサラリーマン時代の人脈を活用できているため「ライターとしては恵まれている方」だといいますが、せめて家賃などが発生する月単位で収支が管理できるようにならなければ家計はいつまでも安定せず、貯蓄もままなりません。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL