さらに、私自身が転職活動をしたときに実感したのは、初対面の採用担当者に自分のことをイチから説明して理解してもらうのは相当大変だということです。職務経歴書や面接での受け答えを通じ、自分の強みを効果的に伝える技術は世の中にあふれています。ただ、その技術をいくら洗練させたとしても、数十分の面接で「その人らしさ」の全てを伝えきるのは不可能に近いでしょう。

初対面の採用担当者に自分を理解してもらうのは相当大変と実感した

私のことをもともとよく知っている人から「最近、転職を考えているの? お茶でもしながら話さない?」といった感じで声をかけてもらえたら、一番いいと思いました。もちろん、一部ではすでにそうした形でキャリアチェンジの機会を得ている人もいます。それをよりメジャーな選択肢として、人材市場に実装させていくことを目指すのがユートラストです。

転職条件、必ずしも「年収第一主義」にあらず

――ユートラストのユーザー動向から見える転職市場のトレンドは。

20~50代のユーザーのうち、転職を経験した353人に対して「転職先に求める条件」(複数回答)を聞いたところ、「給与・報酬」と答えた割合が最も多く、55%を占めました。ただ、単純に「年収第一主義である」と捉えるべきではないと思います。

――どういうことでしょうか。

「給与・報酬」に続いて、それほど大きなポイント差が付くことなく、「柔軟な働き方」(44%)、「カルチャーマッチ」(40%)、「スキルアップの機会」(32%)、「事業共感」(32%)といった項目に多くの回答が集まりました。

「給与・報酬」を重視する人の多さは「生活の基盤を形づくるものだから、不自由を感じない程度の水準は確保したい」という心情を表していると思います。ただ、40代前半以下の世代では「大きな家が欲しい」「外車を乗り回したい」といった所有欲は減っているでしょう。さらに、柔軟な働き方や、その組織の文化が自分に適しているかという点も同時に重視している結果も考えると、意識の変化は明らかです。年功序列・終身雇用を前提にしていた時代では「会社のために滅私奉公していれば、年収もやがて上がっていくだろう」という感覚が強かったと思いますが、そういうリアリティー(現実感)はもう崩壊しています。

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