3)Body(本文)
メールの一番大事な内容を伝える部分がこのBodyになります。日本語の丁寧な書き出しのあいさつは、とても長いですね。
日本語の書き出し(8月)の例:
拝啓 立秋の候、貴社におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は一方ならぬ御愛顧を賜り、心よりお礼申し上げます。
英語はこういった定型の長いあいさつがありません。これをいちいち訳しましたらお相手の方は「だから何? So what?」となってしまうに違いありません。ここは日本と英語圏の文化の違いなので、素直に英語圏の形を覚えましょう。
英語の書き出し例:
Hello, how are you? I hope everything is fine.
「お世話になっております」英語では?
とてもカジュアルでシンプルに感じますね。日本も上の例文のように毎回かしこまっているわけではないのですが、「いつも大変お世話になっております」は定形の書き出しですよね。ですので「先生、『いつも大変お世話になっております』は英語で何と訳しますか?」と生徒さんにもよく聞かれます。
しかしそのような定形文はないので「ない」としか答えようがありません。Hello, how are you? のあいさつが該当しますね。お相手への返信であれば Thank you for your Email. と書きましょう。日本語から直すと冒頭のあいさつのように不自然な場合がありますので、書いた後で見直してみてください。
英訳修正例:
「ご多忙の中、誠に申し訳ありませんが資料の送付をお願いいたします」
×= I’m terribly sorry to bother you and I know you are busy, but would it be possible to send me the brochure?
英語だとbut以前の1文がとても長く無駄です。用件はbut以降ですのでこの一文でよいでしょう。
○= Would it be possible to send me the brochure?
例文のBodyは
I’m afraid I can’t have a meeting this week.
I’m a little busy but I’m flexible next week. When would be convenient for you?
訳:
申し訳ないのですが今週はミーティングができません。
今週は忙しいのですが来週なら空けられます。いつがご都合よろしいでしょうか。
I’m afraid I can’t ... は丁重にお断りする定番フレーズです。I’m flexible ... は「柔軟に対応できますよ」という意味です。ハッキリとお断りしなくてはいけませんが、英語でも丁寧に言う表現やフレーズがありますので、これを覚えて使えば回りくどくならずに済みます。
昔、通訳や翻訳をフルタイムでやっていた時に日本側のクライアントさんから「意訳ではなく、もう少し直訳でお願いします」と言われたことがありまして、最初は困ってしまいました。翻訳に意訳も直訳もないと思います。例えば
Good afternoon, how are you? ―I’m not bad.
「良い午後です、あなたはどんなですか? ―私は悪くありません」
これをよしとするのでしょうか? しませんよね。このレベルでよいのであれば、人間がやる必要がなく機械にお任せできます。この例を出し「ご希望であれば、このようにすることももちろんできます」とお伝えして納得していただきました。
4)Complementary Close(結辞)
Complementary Close は締めくくりの定番あいさつのことです。日本語の「敬具」「かしこ」「それでは失礼いたします」ですが、英文メールはもう少しカジュアルです。不安であれば、お相手から来た結辞を同じように使うのがよいでしょう。定番のビジネスメール表現を覚えてしまいましょう。例文メールでは Best regards, を使いました。用件のみの場合は省略も可です。
定番:Regards, / Sincerely,
親しい相手:Best, / All the best, / Best wishes, / Take care, / Yours,
家族・友人・恋人:Love,
5)Signature (署名)
結辞の下には必ず自分の氏名を入れて署名を書きます。例文では
Best regards,
Olivia Smith
となっています。親しくなればファーストネームでよいと思います。最近は署名を自動で挿入できる機能がメールソフトについていますので、あらかじめ会社名や名前、メールアドレス、電話を入れておくと便利ですね。