お金の悩み聞きます 上野千鶴子門下生、起業への道

400F創業者の加々美さん
400F創業者の加々美さん

個人と金融専門家を結ぶマッチングサービス「お金の健康診断」を手掛ける400F(フォーハンドレッド・エフ、東京・中央)の創業者で、現在は最高製品責任者(CPO)兼副社長の加々美文康さん(31)。大学時代に社会学者の上野千鶴子さん(東京大学名誉教授)と出会い、起業の夢を抱くようになった。個人のお金の困りごとを解決したいと、同社を立ち上げた。加々美さんに起業に至る軌跡を聞いた。

FPなど専門家700人と無料相談

「お金に関しての悩みや不安は尽きない。2019年夏に『老後資金2000万円問題』が巻き起こったときはこのサイトにもずいぶん反響があった」。加々美さんは語る。人工知能(AI)技術を活用し、資産運用サービスを手掛けるお金のデザイン(東京・港)の若手エンジニアだった加々美さんは17年に400Fを立ち上げた。

創業メンバーは4人。ベンチャー企業の中で誕生した社内ベンチャーとしてスタートした。ファイナンシャルプランナー(FP)や独立系金融アドバイサー(IFA)など金融の専門家がチャットなどを介し、お金の相談に無料で乗るというマッチングサービスだ。ユーザーが自身の家計情報や相談内容を書き込む。そのデータをもとに「プランナー」と呼ぶ専門家がインターネットを介して声がけできる仕組みだ。サイト上に各プランナーの具体的なプロフィルを公開しており、ユーザーからプランナーを選んでアクセスすることも可能だ。

400Fはプランナーから月額1万4800円の利用料を徴収。声がけの対象者数が20人を超えた場合、その人数に応じて利用料は加算される。18年のサービス開始から3年になるが、プランナーの登録者は700人を超え、アクティブユーザー数は3万人を突破した。このサイトの知名度がじわじわ上がり、徐々にプランナーやユーザーが増えている。

今は金利ゼロ時代。銀行に預金しておけば、着実にお金がたまるわけではない。ちまたには株式など投資関連や金融商品があふれているが、ハイリスクだったり、複雑だったりする商品・サービスが多く、理解するのは容易ではない。かといって、見知らぬFPやIFAにわざわざ相談に行くのははばかられる。

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松本深志高出身、上智大時代に上野ゼミに参加
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