少し変わっていますが、我が家、横山家の子どもは、こづかいを円でもらうか米ドルでもらうか、子ども自身が選択することになっています。なんだか面倒くさいことをしているな、と思われるかもしれませんが、これが日本と外国のお金の違いを知ることにつながります。
そこから1ドルが時期によって103円や110円などと変動していることを知ったり、自然に「為替」についても気にして学んでいたりもします。
全てのご家庭に、このような方法が合っているとはいえないでしょう。けれど、世界と日本とのつながりを意識できるようになるなど、教育上の利点も少なくありません。そんな我が家の取り組みをご紹介します。
ドルこづかい制は、世界への関心のきっかけ
こづかいをドルで渡す。親は円をドルに替えておかなくてはいけないですし、子どもはもらっても円に両替しないと使えないなど非効率なやり方です。実は計画的に始めたことではなく、単なる思い付きが発端でした。
17年ほど前、長女が小学2年生のころのことです。当時、私は珍しいことに、とある外資系企業からの報酬を、米ドルで受け取っていました。日本とは違うお金。ふと「子どもに与えたらどうなるかな」と思い、渡してみました。すると、「お金のようだけれど、いつも見ているのとは違う。何だろう」と不思議そうな、かつ好奇心たっぷりな顔をしています。意外と好反応だったのです。そこで、ドルをこづかいに取り入れてみたのです。
ドルのこづかいは、いつでも「パパ銀行」で円に両替ができるようにしています。このような手間をかけてもこの「円とドルの選択制」のこづかいを続けているのは、社会や海外への関心が高まるからです。まずは米ドルを使うアメリカからですが、次第にそれ以外の通貨があることを知り、自分が知った通貨の国に興味を持つ、というように広がっていきます。