「ただ、彼は今、14歳。年上のメンバーには多少ハードに叩き込んでいけても、同じようにするわけにはいかない。変声期もあるから無理して高いキーを歌わせたくないし、成長痛もあるから筋トレや体幹トレーニングを厳しくやらせるわけにもいかないと感じました。

もう1つは、義務教育をきちんと受けてほしかった。合宿中のルイは『音楽のことだけできて幸せ』という感じだったんですが、僕はちゃんと勉強してほしいなと。大人になってからでも勉強はできるけれども、僕の感覚では、大人になってから勉強する人の多くは、子どもの頃に一度はちゃんと勉強した経験のある人。『学んで、身になる』という経験を積んでいるんです」

時代に向き合うために思考し続ける必要性がある

「結局、デビューした後の長い人生を考えると、彼らが時代とうまくかみ合わなくなる時期が、それなりに起きると思っています。そうなったとき、“時代に対してどう向き合うのか”という思考力が問われる。よく学校教育に対して『大人になってから、これ使うんですか?』みたいな話がありますが、こと義務教育で学んだことに関しては、ものすごく使うんです。

例えば、算数は複雑な数字の計算のためだけではなく、算数ができれば、自分たちの今の規模感から次の目標までにどう成長していけばいいかも、ざっくり感覚的につかんで考えられるわけです。大人になってからの思考回路の基礎を構築しているのは、義務教育で学ぶことだと言っても過言ではない。だから今後もBMSGは、義務教育を大事にします。

ルイがBMSGのトレーニー第1号となりましたが、トレーニー制度があったほうがいいというのは、オーディションを進めながら強く感じたことです。月1回でもいいので、トレーニーの今の状況を見て課題をアドバイスできる状況や、未来の話ができる機会があれば、才能を育てることは十分可能だと思いました。

もちろん、今のBMSGの規模では、多くの人数を抱えることは難しいけれども、将来的には充実させていきたい。そんなことを考えていますが、まずはデビューグループを軌道に乗せることに集中したいです」

SKY-HI(日高光啓)
 1986年12月12日生まれ、千葉県出身。ラッパー、トラックメイカー、プロデューサーなど、幅広く活動する。2005年AAAのメンバーとしてデビュー。同時期からSKY-HIとしてソロ活動を開始。20年にBMSGを設立し、代表取締役CEOに就任。「THE FIRST」のテーマソング『To The First』が配信中。

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(ライター 横田直子)

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