ミシュラン二つ星リストランテで修業したシェフのレシピ

シラスとトマトのブルスケッタ(料理提供 コルマータ)

さらに、アマルフィやチェターラと同じソレント半島にあるミシュラン二つ星リストランテで修業した「コルマータ」(大阪市中央区)の川上直人オーナーシェフに、コラトゥーラを使った料理を三品教えていただいた。

まずは、前菜になる「シラスとトマトのブルスケッタ」。焼いたパンにニンニクをこすりつけ、半分に切って塩をしたミニトマトとシラスとバジル、コラトゥーラ(2人分で小さじ2)を混ぜ、水分を切ってバゲットにのせる。南イタリアでシラスはピッツァにも使われる食材なので、コラトゥーラとの相性もよい。

タコとジャガイモのサラダ(料理提供 コルマータ)

次に、「タコとジャガイモのサラダ」。ゆでたタコをぶつ切りにし、丸のままゆでたジャガイモをさいの目に切る。これを、スライスしたセロリ、コラトゥーラ、イタリアンパセリのみじん切り、最後にレモンを絞り入れてあえる。

最後に、「ミニトマトとオリーブのパスタ」。ニンニクとタカノツメを入れたオリーブオイルを熱して風味を移し、半分か4分の1に切ったミニトマト、手でつぶした種抜きオリーブ(黒か緑)、細く切ったバジルとレモンの皮を加え、ゆでたパスタを入れ、しあげにコラトゥーラ(2人分で20cc)を加える。

ミニトマトとオリーブのパスタ(料理提供 コルマータ)

「修行したリストランテではコラトゥーラを使ったパスタは出していませんでしたが、こうした庶民料理であるクチーナ・ポヴェラ(「貧しい人の料理」の意)が自分は好きなんですよ」と川上シェフは言う。

本来、コラトゥーラは、地元で豊富にとれるカタクチイワシ、塩、そして時間だけがつくり上げるクチーナ・ポヴェラの調味料だった。それをクリスマス前夜という大切な時間に、庶民は感謝していただいた。コラトゥーラが海外に輸出されると、輸送費などでどうしても値が上がり、クチーナ・リッカ(お金持ちの料理)の調味料めいてしまっているのが残念ではある。

(イタリア食文化文筆・翻訳家 中村浩子)

中村 浩子
イタリア食文化文筆・翻訳家。東京外国語大学イタリア語学科卒。イタリアの新聞社『ラ・レプブリカ』極東支局長助手をへて、文筆・翻訳へ。著書に『イタリア薬膳ごはん』(共著)『「イタリア郷土料理」美味紀行』、訳書に『イタリア料理大全 厨房の学とよい食の術』(共訳)『スローフード・バイブル』。
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