17年のNHKの連続テレビ小説『ひよっこ』では、ヒロインの相手役である好青年を爽やかに演じました。翌年のテレビドラマ『今日から俺は!!』では、極悪非道のヤンキー役で「第14回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」新人賞を受賞するなど演技力の高さが評価されています。

その後も、『きのう何食べた?』で同性愛者の美青年役という新境地に挑んでいます。また、『恋する母たち』では既婚の女性上司と恋に落ちる魅力あふれる若手ビジネスパーソン役に扮(ふん)し、「壁ドン」「強引なキス」「全裸待機」などで、世の女性たちを虜(とりこ)にしました。

テレビドラマだけでなく、様々な映画にも出演しています。特に今年公開された『ヤクザと家族 The Family』では、抗争で死んだ柴咲組の若頭の息子で、半グレと呼ばれる集団のリーダー格を演じ切りました。ツイッターで「存在感が凄(すご)かった」をはじめ、様々な称賛の声が数々上がっていました。

最近では、多様な役柄になりきる「カメレオン俳優」の若手代表として、磯村さんを取り上げる記事が増えています。

『ひよっこ』への出演で多くの人に知られる俳優になってから、わずか4年の間に、磯村さんは様々な役柄を演じてきました。しかも、どの作品においても確実な存在感を残しています。どんな役にもなりきる演技力の高さはすでに折り紙つきです。

自身が納得できる正解を探す姿勢

3月放送のドキュメンタリー番組『情熱大陸』において、髪形などの細かなディテールや、心持ちに至るまでをストイックに役作りする磯村さんの姿が映し出されていました。

特に、注目したのは「『OK!』と言われても喜べないですよ。うまくいけたなんて一切思ったことない」と語っていたことです。それらの言葉から、自身と闘い続けている様子が伝わってきました。その姿は、自身が納得できる正解を求め続ける「求道(ぐどう)心の塊」そのものでした。

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