分業化した組織で、いかに創出利益をプレゼンできるか
「報酬は会社からもらうものではなく、提供価値に応じて獲得するもの」という思考で働いていくには、自分の仕事が生み出した価値の見立てを、上司や会社に任せてしまうのではなく、自ら客観的に自己評価ができるように訓練することも重要です。
しかし、企業においてはほとんどの場合、多様な職種、役割の人がモザイク状に組み合わさって分業しているため、自分の生み出した価値を見立てることは容易ではありません。
1億円のマンションを1年間で10件売ったデベロッパーの営業は、外形的には「1年間で10億円を稼いだ」ように見えますが、実際には、設計や建築、販促、経理など様々な人が関わった大きなプロジェクトで顧客に直接接する役割を持った一員に過ぎません。商品・サービスが売り上げを生み出すプロセスに関わるビジネスプロセス(プランニングから生産、販売、アフターサービスに至る部署)の中で、自分の果たしている役割の関与度を正しく評価するには、日々のコスト意識や経営指標を理解しておくための勉強も不可欠になると思います。
最後に、40代を超えても年収を上げ続ける人に共通するスキルを紹介します。
(1)継続的な学習習慣
ビジネスに必要な知識だけでなく、人間力を高め、包括的な視界を手に入れるために、継続的な学習ができる人は、新たな困難にぶつかっても対応できる範囲が広くなります。特にテクノロジーやケーススタディ、歴史から多様な生き方や価値観などを学んだ人は、それだけ多くの生きる知恵を身に付けていると言っても過言ではありません。
(2)業務効率化のノウハウ
売り上げを増やすことと同じように、業務の無駄や非効率を省き、効率化することも積み重なれば多大な利益をもたらします。多様化するクラウドサービスや外部リソースの活用で、効率化できることも日々刷新されています。現場業務を知り抜き、最新の事例をインプットしておくことで、会社にもたらす利益は必ず年収にも反映されていきます。
(3)投資ノウハウ
会社の経営は簡単にはできませんが、株、不動産、金融資産などへの投資は個人でも可能です。いかにうまく投資をして、いかに回収するかを学ぶには、自ら投資を学ぶことが最短の未知です。経営感覚を身に付けるためにチャレンジしてみる価値はあるかもしれません。
(4)やり切る力
企業の中で高い評価をされ、実績を残す人はどんなものごとも簡単にあきらめず、最後までやり切る力を持っています。ただ、決めたことをやりきるだけではなく、目的を見据えて、手段や方法を柔軟に試行錯誤できる力も重要です。
これらを参考に、明日からできること、今すぐ着手できることを即座に行動に移せるかどうかが、あなたのキャリアを高めるための最初の一歩です。ぜひ、無理のない範囲で、楽しみながら実行を始めてほしいと思います。
※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。
